LuxshareがiPhone組立委託先に加わる?初の中国内地企業によるiPhone組立実現か

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TF International Securities(天風国際証券)の著名なApple関連アナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)氏の最新の投資家向けレポートによると、中華人民共和国内地企業のLuxshare ICT(Luxshare Precision、立讯精密)が、AppleのiPhone組立委託先に加わる可能性が出てきたということです。まず最初は旧機種の製造からスタートし、徐々に最新機種の生産委託も受けられるようにしていくものとみられます。

この予測を行う主な理由は、新しい‌iPhone‌製品サイクルが短縮されるためです。したがって、Luxshare Precisionが‌iPhone‌アセンブリー事業に参入できれば、Appleの新しい‌iPhone‌開発および供給リスクを減らすことが期待されます。スムーズな初期アセンブリビジネスを確保するために、Luxshare Precisionは古い「iPhone」モデルからアセンブリを開始する予定です。

Luxshare ICT
こちらはLuxshareベトナム工場

Luxshareは深圳株式市場に上場する中国広東省東莞市に本拠地を持つ企業で、これまで特にコネクタの製造では世界トップ10企業に入っていて、USB-C規格の制定に深く関わっていることで有名です。製品している電子部品の種類は多岐にわたり、これまで多くの製品をiPhoneやApple製品向けに支給してきていることから、製品の組立まで担当することで垂直統合ができることが期待されています。

また、Luxshareは更に今年秋にリリースされるとみられる次世代Apple Watch、Apple Watch Series 6の組立委託先にもなることがKuo氏のレポートで指摘されています。過去のKuo氏のレポートでは、Apple Watchは旧機種のみ組立するとされていたため、今回のレポートとは矛盾が生じていますが、Kuo氏は2020年のLuxshareのAppleからの受注が「予想よりも優れている」ため、予測に変更があったものと思われます。

なお、LuxshareはiPhone組立委託先としては、台湾の資本が入っていない純粋な中国内地企業として初の企業ということになりそうです。これまでのiPhone組立委託先は、Foxconn(富士康)、Pegatron(和碩)、Wistron(緯創資通)の3社でしたが、Foxconnは台湾の鴻海グループの1企業ですし、他の2社も台湾企業でした。その牙城を崩して中国内地(大陸)企業が入ってくるのはなかなか大きいことなのではないかと思います。これまでのAppleの「台湾」をかますことでのリスク管理に見直しが入ったことがうかがえます。

もちろん、複数社購買ができていた方が、リスクを減らすことができるのは間違いなく、また競争を産むことで調達価格が下がることも考えられ、投資家としてはLuxshareの株価のみならず、Appleの業績にも影響してくる大変な変更になると思われます。製造業としても大きな4M変更が発生します。品質管理が大変にはなりますが、メリットの方が大きいでしょうね。

ただ、新型コロナウイルスの影響で、Luxshareの中国国内工場も恐らくまともに稼働ができていない状態が続いていると思います。なお、Luxshareの工場は広東、江西、江蘇、安徽、浙江、山西、河北、四川、台湾など各地に渡っています(ちなみに海外でもドイツ、ベトナムに工場があり、アメリカにR&Dセンターも持っています)。何とか今日新規感染診断者の数が減ったことから、収束の日程が見えてきたような気がします。3月中旬か末くらいにはだいぶよくなっているのではないかと予測されます。

早くこの新型コロナウイルスの流行が収束する日が訪れることを、中国から切に願っています。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors

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