TSMC、2024年のフル生産に向けて2nmプロセスの研究開発を既に開始、2nm以下の探求的研究も

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AppleのiPhoneはTSMCの最先端プロセッサ生産技術のおかげで波に乗っています。

Appleは、2019年の段階ではTSMCの7nmプロセッサーを使用するスマートフォンベンダーのうちの1つにすぎません。しかし今年リリースされるといわれている次世代iPhone「iPhone 12」に搭載予定のA14チップは、TSMCによって世界最初に5nmプロセスによって製造される量産型最極小プロセスチップとなります。

今年になってiPad Proがリニューアルされたばかりですが、Appleの次世代iPad Proは今年後半に5nmプロセッサーを搭載してマイナーアップデートされる可能性もあり、また昨日取り上げられた噂ではAppleはiMacと1つのMacBookモデルで独自開発のARMベースの5nmプロセッサーを最初に導入するといわれています。

TSMCのCOO兼SVP(上級副社長)が、昨年12月にTSMCのロードマップとして、2022年末までに3nmプロセスのチップをフル生産することを発表していました。当然、AppleこそがTSMCの3nmプロセスの最大の顧客であることは疑いもない事実でしょう。

当然、プロセスのサイズが小さくなればなるほど効率が高まるため、消費電力は抑えられ、そしてこれまでのチップよりも優れたパフォーマンスで動作するようになります。もし5nmプロセスのプロセッサがMacBookに導入されれば、これまでのx86系プロセッサを搭載したどのノートパソコンよりもハイパフォーマンスになることは間違いありません。

そしてDigitimesによると、本日TSMCは2024年のフル生産に向けて2nmプロセスの研究開発(R&D)を開始したということを、年次報告書で株主に開示しました。しかも更に2nm以下の超微細プロセスのノードの探索的研究も進めているということです。

昨日、Appleがなぜ最安のiPhoneの性能によって最高峰のAndroid機の性能を凌駕できたかについて記事にしました。これについては、初期はスティーブ・ジョブズの強力なリーダーシップと、現在はNuviaとして独立している3人のApple社内スーパーエンジニアのおかげではありますが、最近は特にTSMCの貢献が非常に大きいと思われます。

TSMCがこけてしまうと、恐らくAppleの快進撃も怪しくなります。なぜならAppleは自社でプロセッサの開発は行っていますが、実際に製造するファウンドリは持ち合わせていないからで、しかも5nm、その先の3nm、2nmを製造するために投資できるファウンドリは現在のところ世界でほぼTSMC1社しかないからです。プロセスの微細化は、そのたびに非常に大きな難関にぶち当たるといわれています。TSMCは今後少なくとも4年、ロードマップの通り開発が進められるのでしょうか。注目していきたいと思います。

記事は以上です。

(記事情報元:Digitimes

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