最新スマートフォン用プロセッサ性能ランキングトップ10発表、業界地図に変化

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最近、多くのメーカーがスマートフォンを相次いでリリースし、百花繚乱状態だ。そしてそのスマートフォンの性能を決めるプロセッサチップ(SoC)の性能ランキングに変化が起こっている。

昨年はAppleのA9が独走しており、そこにHisilicon Kirin 950がその後ろになんとかついているという状態だったが、最近はクアルコム(Qualcomm)、Apple、そしてサムスン(Samsung)の三国志状態になっている。

中国のベンチマークサイトAntutu(安兎兎)が公表した最新のスマートフォン用プロセッサトップ10で現状を見てみよう。

ちなみに以下のデータの点数はあくまで平均点で、最高点ではない。実際のベンチマークの結果は毎回異なるもので、それは異常ではない。

スマートフォン用CPU総合性能ランキングトップ10

Antutu_スマホプロセッサCPU性能ランキングトップ10

最新のチップ性能ランキングトップ10を見ると、クアルコムのSnapdragon820チップのスコアが13万6千ポイントで1位となっている。AppleのA9チップ(iPhone 6sに搭載)よりもスコアは4000ポイントほどリードしていることになる。またサムスン(Samsung)のExynos 8890もその性能ではAppleのA9チップに肉薄している。

ちなみに1位のSnapdragon 820を搭載しているデバイスは、LeTV MAX Pro、MI5(xiaomi、小米5)、LG G5、ソニー(Sony) Xperia X Performance等で、3位のExynos 8890を搭載しているのは今のところGalaxy S7 1機種のみとなっている。

最近リリースされたクアルコムSnapdragon 652と650は、CPU性能としても高いものをもっており、652はSnapdragon 810に迫っている。650は808を凌駕しており、これもミドルレンジのスマートフォン市場に新風を吹き込んでいる。

昨年まではランク入りしていたMediaTekは、最新のMT 6797を搭載したスマートフォンがまだリリースされていないことから、トップ10からMediaTekの名前が消えてしまっている。

 

スマートフォン用GPU(グラフィックチップ)性能ランキングトップ10

Antutu_スマホプロセッサGPU性能ランキングトップ10

最近のスマートフォンでは、GPUの性能がますます重視されている。なぜならGPUはゲームやその他の普段のシステムの動作のスムーズさに直接影響し、そしてそれが直接スマートフォンのユーザ体験(UX)に繋がるからだ。

現在最強のGPUはやはりSnapdragon 820に搭載されているAdreno 530で、ベンチマークスコアが5万5000に達している。サムスンのExynos 8890に搭載されているMali-T880 MP12もが、Apple A9チップに搭載されているPowerVR GT7600にほぼ追いついている。

Hisilicon Kirin 950のMali-T880 MP4はGPUランキングの中での成績はランキングトップ10の中では大したことがなく、クアルコムのSnapdragon 808のAdreno418や、652のAdreno510に近いスコアとなっている。

実はGPU性能はスマートフォンの解像度と密接な関係がある。現在主流の解像度は1080pだが、2Kの解像度がハイエンドスマホの発展の傾向となっており、もしGPUのサポートがなければ、強引に解像度が2Kのディスプレイを搭載したとしても、ユーザ体験は酷いものになってしまうからだ。

もちろん、スマートフォンの善し悪しは、CPUとGPUの2つの性能だけで決められるものではない。単に、強力なプロセッサはよりよいユーザ体験のためのベーシックな条件に過ぎない。その他の様々な要素のサポートがなければ、よりよいユーザ体験などという言葉は机上の空論でしかなくなるのだ。

 

まとめ

以上がAntutuが公表しているチップ性能ランキングトップ10の結果だ。

現在のところ、クアルコムのSnapdragon 820がスマートフォン用プロセッサとしては最強だということになる。Appleは昨年9月以来新製品をリリースしていないため、新しいチップをリリースしていないが、それでもA9チップの性能はやはり依然として非常に強いといえる。サムスンはExynos 8890の力を借りてほぼAppleのA9チップに肉薄している状況、ということになる。

また時間が経つと、この状況は変化していくことだろう。

なお、上記の通りCPUとGPUの性能がスマートフォンの性能の全てを決めるわけではないため、特にAppleのiOSとGoogleのAndroid OSのデバイスを並べて比較するのは無理がある。AppleはOSも含めて一体化して開発されているため、実際のCPU性能やGPU性能、RAMの容量の数字よりもユーザ体験としてはハイパフォーマンスだったりするからだ。

また、上記は中国のランキングのため、日本で流通しているスマートフォンとは多少異なるところがあるが、基本的には世界のスマートフォンの趨勢ととらえていただいた方がいいと思う(日本は以前よりマシになったとはいえ今でもガラパゴスだ)。

 

おまけ:スマートフォンチップメーカーと種類の中国語・日本語・英語対照表

【メーカー】

  • 苹果:アップル、Apple
  • 高通:クアルコム、Qualcomm
  • 三星:サムスン、Samsung
  • 海思:ハイシリコン、Hisilicon
  • 联发科:メディアテック、MediaTek

【チップ種類】

  • 骁龙:スナップドラゴン、Snapdragon
  • 麒麟:キリン、Kirin

 

記事は以上。

(記事情報元:cnBeta

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