Apple Payは非接触タイプのモバイル決済サービスに分類される。デバイスを対応したPOSレジのリーダーに近づけるだけで、接触することなく支払いを完了することができる種類のものだ。
先日、アメリカの小売店などのサービス提供側へのアンケートの結果、その非接触タイプのモバイル決済サービスの中ではApple Payが最も人気で、ライバルのAndroid PayやSamsung Pay、PayPalなどはApple Payに遠く及ばないことが判明した。
投資顧問会社のPiper Jeffrayが507社のリセラーや独立ソフトウェアベンダーなどにアンケート調査を行った結果、44%の端末ユーザからNFC(非接触通信チップ)付の決済端末について問い合わせがあったといい、つまりこれはNFCによる決済サービスを提供している業者がますます増えていることを示している。
そして非接触タイプの決済サービスに興味を持った業者の中で、67%の業者がApple Payをサポートしてほしいと要求されたという。そしてApple Payが圧倒的に2位のAndroid Pay以下を引き離し、特筆すべきはSamsung Payについては7%しか要求がなかったという結果となった。
アメリカでは、Apple Payをサポートしている業者は既に1000社を超えており、Apple Payでの支払い可能な端末を設置している店舗は200万にものぼる。現在Apple Payに対応している端末はiPhone 6/6 Plus、iPhone 6s/6s PlusとApple Watchのみだ。そして3月か4月にリリースされるといわれている新型4インチiPhone【iPhone SE】にもNFCチップが搭載され、Apple Payでの支払いが可能になるといわれている。
画蛇添足 One more thing…
Apple Payがぶっちぎりの人気となったのは、当然のことながら取引の安全性に信頼が置けることが挙げられるだろう。Androidに比べ堅牢なiOSでは、指紋情報も全く別のSecure Enclaveというシステムで管理される。またAppleにさえ取引の情報やカード番号などが伝わることがないということが喧伝されているのも大きいだろう。
ただ、Apple Payには受け取りの機能もあればベストなのに、と思う。しかも、わざわざ決済のための端末が必要なのもネックだ。その点中国では既に市民権を得ているアリペイ(Alipay、支付宝、アリババのグループ会社が運営)やテンペイ(TenPay、微信支付、テンセントが運営)は、スマートフォンのみで端末も必要なく受け取りをすることができるのも普及の要因となっている。小型店舗などでは新たにPOSマシンの導入が必要ないので非常に便利なのだ。もちろん個人間のお金のやりとりもできる。その代わり、アカウントIDや本名の一部などは伝わってしまうが、それさえ目をつぶればユーザにとっても店舗にとってもともかく非常に便利だ。
日本でもMasterCard(マスターカード)が今年中にApple Payに対応して導入するかもしれないというニュースが流れているが、これらの中国で便利に使えるモバイル決済サービスのやり方を、Apple Payはもっと勉強するべきではないかと思う。
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(記事情報元:iPhone中文網)