Appleがまたまた告訴された。。しかし今回の相手は特許ゴロ(パテント・トロール)ではない。訴えたのはなんとカリフォルニア工科大学(California Institute of Technology、以下Caltech)だ。
Patently Appleによると、Caltechは最近Appleに対して権利侵害に関する訴状を提出した。その内容は、Appleが過去数年間にCaltechが所有しているWi-Fiの技術特許を侵害しているというもので、影響を及ぼすデバイスはiPhone、iPad、MacBook Air、Apple Watch等とのこと。
直接訴えられたのはブロードコムの傘下のAvago Technologies
実は、Caltechの今回の起訴の直接の対象はブロードコム(Broadcom)とブロードコムの傘下のAvago Technologiesだ。Caltechの弁護士によれば、Appleのデバイス上で使用されている無線通信技術、IRA/LDPCエンコーダとデコーダの4つの技術(7,116,710, 7,421,032, 7,916,781 と 8,284,833.)が、Caltechが先に発明し取得した特許を侵害しているものだということだ。これらの技術特許はシステムのコーディングと手法の画期的な改善をもたらすとし、特にエラー修正コードについて新たな方法を用いているという。
Appleはブロードコムの最大顧客で、その製品に幅広く使用される
原告によれば、Appleはそのシリーズの特許を侵害したものを採り入れた設計をして使用したとしている。そして特許が侵害されたデバイスはこれらを含み、またこれらに限らないという。
- iPhone 6s
- iPhone 6s Plus
- iPhone 6
- iPhone 6 Plus
- iPhone 5c
- iPhone 5s
- iPhone 5
- iPad Air
- iPad Air 2
- iPad Pro
- iPad mini 4
- iPad mini 3
- iPad mini 2
- MacBook Air
- Apple Watch
Appleはブロードコムの最大顧客で、2012年から2014年まで、ブロードコムの利益の14%前後を占めていた。
AirPort ExtremeやTime Capsuleの販売停止はこれの影響?
なお、今回のCaltechのブロードコムに対する起訴は、昨日AppleがアメリカのApple StoreからAirPort ExtremeとTime Capsuleなどの無線LAN製品を販売停止した件を思い起こさせる。実は無線LAN製品が販売停止になったのはWi-Fi製品に関するライセンスがもうすぐ切れるからだったためとのことだが、そのことがこの訴訟と関係している可能性も否定できない。
画蛇添足 One more thing…
特許ゴロ(パテント・トロール)の定義は、所有する特許を実際の製品などには使用せず、特許を利用して所謂お金を取れそうなところからゆすり・たかりをするという企業のことだ。しかも訴えられる企業は基本的にはテック企業ばかりだ。
しかしカリフォルニア工科大学は大学という研究機関であって、さすがに自ら製品を作って売るわけでもないので、当然ながら特許ゴロとは呼べないだろう。
そんな厄介な相手に対して、法廷でAppleがいったいどのような対応をするのかが注目される。
(記事情報元:Patently Apple)