iPhone5sの内部についてChipworksが初歩的な分析を行ったこととその内容は、
当ブログの以前の記事でも書いた。
今回Chipworksは引き続き、
iPhone5sに搭載されたCPU「A7チップ」を更に詳細に分析し、
A7チップにはデュアルコアと、
クアッドコアの画像処理コア(GPU)が搭載されていることが判明した。
以下がA7チップCPUの内部構造の画像だ。
Chipworksは更にA7チップのSecure Enclaveについて特に詳細に研究分析を行っている。
Appleの説明によると、
Secure EnclaveはiPhone5sで追加されたTouch IDの指紋情報資料を保存するところで、
Touch IDの回路以外に他の全てのシステムと全く関連がなく独立したものだとされている。
しかし但し回路上でそれを証明することはできなかったようだ。
ChipworksはA7チップに搭載されているのは、
Apple自社設計によるデュアルコアのCPUであり、
ARMx8構成になっているということを確認している。
CPUコアは256KBの1次(L1)高速キャッシュメモリと、
1MBの2次(L2)高速キャッシュメモリを内包していることはわかったが、
1GB RAMを搭載しているかは確認できなかったとしている。
デュアルコアの高速キャッシュメモリは金型の17%の面積を占めており、
クアッドコアのGPUと共用ロジック部分は約22%の面積を占めているという。
A7チップのSecure Enclaveについて、Chipworksの説明は以下の通り。
実はA7チップはA6チップと比べると、比べるところがないというのが正直なところのようだ。
もともと指紋スキャン機能がどれほど大きいデータを生むかということは考えてこなかったが、
多くのスキャンを繰り返し、またあらゆる方向からのスキャンをしていることを考えると、
一定の指紋情報の保存スペースが必要であると考えるに至った。
現在わかっていることは、
iPhone5sの指紋センサーは我々が見た中で一番大きなもので、
面積は約39mm²あるということである。
Chipworksは、Secure Enclaveは基本的に1つのSRAMであり、
少なくとも3MBの保存スペースがあるという。
設計上、A7チップと前の数代のAシリーズのチップには共通点が見られる。
例えばUSB、LCDやカメラのアクセスなど。
以前ChipworksがiPhone5sの内部を分析した際、
A7チップはSamsung製であると断定されている。
またM7コプロセッサは実はNXP LPC18A1であることがわかっている。
背面のiSightカメラはSonyのExmor-RSセンサーが使われており、
前面カメラはOmniVisionによるもので、
加速センサーはBoschがサプライヤーであることが判明している。
記事は以上。