SKハイニックスが世界初「72層3D NANDフラッシュメモリ」開発、将来のiPhoneに採用か

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Appleのサプライヤーでもある韓国のSKハイニックス(SK Hynix)が、世界初の72層3D NANDフラッシュメモリの開発に成功したというニュースが2〜3日前に流れた。

三次元配列による72層256Gb(ギガビット)の3D NANDフラッシュメモリによって、これまでSKハイニックスが量産してきた48層よりも1.5倍のユニットを搭載可能となり、256Gb NANDフラッシュメモリでは32GBの容量が実現可能となる。更に72層3D NANDフラッシュメモリは、速度の面においても従来の48層のものより2倍以上速くなり、またRead/Write性能は20%速くなるという。消費電力も大幅に削減可能だ。

iphoneflashmemory

SKハイニックスのフラッシュメモリは昨年二世代も進化

SKハイニックスは2016年11月以来、第二世代の48層256Gb 3D NANDフラッシュメモリを製造してきた。またその前は2016年4月から第一世代の36層128Gb 3D NANDフラッシュメモリを量産していた。昨年は1年で一気に2層階も進化してきている。

 

72階建ての建物約40億棟を10ウォン硬貨の面積に実装したようなもの

SKハイニックスは、今回開発した72層NAND型フラッシュメモリは、72階建ての建物約40億棟を10ウォン硬貨の面積に実装したものと似ている、と例えて説明している。

▼ちなみにこれが10ウォン硬貨。日本円では約1円。

10ウォン硬貨

 

現在よりも生産キャパが向上、今年後半から量産開始

そしてこの新しい72層のNANDフラッシュメモリは、現在の設備を最大限応用して製造することが可能となり、更に層数が増えることから逆に製造キャパが30%上昇するという。SKハイニックスはこの新しい72層256Gb 3D NANDフラッシュメモリを今年後半から量産開始予定だ。

 

第二世代から一気に第四世代にジャンプしてシェア拡大を狙う

ちなみにSKハイニックス社はDRAM半導体分野では世界2位だが、NANDフラッシュメモリの分野では日本の東芝やアメリカのマイクロンなどに押されてシェア率が高くない。また業界最大手のサムスンは年初から第三世代の64層の3D NANDフラッシュメモリの量産を開始している。

SKハイニックス社は今回その第三世代を飛び越して一気に第四世代の72層の3D NANDフラッシュメモリの開発に成功したことで、短期間でも世界最高峰の競争力を持つことでシェアの拡大を狙っている。

 

iPhoneとSKハイニックスのNANDメモリ

iPhone 7とiPhone 7 Plusで使用されているNANDフラッシュメモリは日本の東芝とSKハイニックスの2社から購買されている。そのうち一部のiPhone 7には、東芝の48層 3D BiCS NANDフラッシュメモリが採用されていて、この製品はその他の製品には一切採用されていないことから、iPhone 7シリーズが独占受注したことになる。

今回72層3D NANDフラッシュメモリの開発に成功したことで、iPhoneに採用されるのは間違いないと思われるが、量産が今年後半からということで、今年9月に発表される予定の次世代iPhone【iPhone 8(或いはiPhone X、iPhone Editionとも)】や【iPhone 7sシリーズ】に搭載されるには十分なテスト期間もないため、間に合わない可能性が高いだろう。となると、iPhoneに採用されるのは来年のモデル以降になりそうだ。

記事は以上。

(記事情報元:Digitimes

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