AppleのiOSの生みの親スコット・フォーストール元SVP、スティーブ・ジョブズに雇われたときのエピソードを語る

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iOSの生みの親とされ、現在にも続いているMac OS Xの開発にも非常に大きな役割を果たしたとされる、Appleのスコット・フォーストール(Scott Forstall)元エグゼクティブ・SVP(シニア・ヴァイス・プレジデント)。彼はその後iOS 6の地図アプリの失敗の責任をとらされる形でAppleを去りますが、ご存じの方も多いと思いますが、実は彼はAppleの前のNeXTから、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が重用した人物だったのです。

そのスコット・フォーストール氏がCODE BREAKのインタビューに答え、彼がスティーブ・ジョブズによって選ばれてNeXTに入社したときの面白いエピソードを明かしています。

フォーストール氏は当初はマイクロソフト(Microsoft)で働くつもりだったのですが、スティーブ・ジョブズがAppleを去った後に設立したNeXT社での採用面接も受けることになりました。面接は1日かかり、その日だけで17人も面接に参加したそうです。

最初の面接のわずか10分後に、ジョブズは面接担当者を部屋から出るように言って廊下に連れて行き、すぐに解任しました。その後、フォーストール氏と1対1で面接を始めたのだそうです。

「彼は次から次へと私に質問を投げかけ始めました。15分ほど、私たちはデザイン、哲学、その他本当に多くの分野について話をしました。」

「彼は立ち止まり、私を見て言いました。『今日は残りの人を面接する必要があることはわかっている。でももう他の誰かが言っていることは気にしない。結局のところ、私はあなたに申し出をするだろう。』それから彼は言いました、『でも、あなたは今日の終わりまで、みんなの質問に興味を持っているふりをしていてくれ。』それから彼は私を見て、『きっとあなたはこの申し出を受け入れるだろう』と言ったのです。それが私を説得するための彼の方法でした。」

スティーブ・ジョブズなりの強引なやり方がうかがえるエピソードですね。面接開始後10分後に担当者をクビにするというのもまた彼らしいやり口です。

結局フォーストール氏はマイクロソフトによる既存の内定を断ったのですが、翌日奇妙な宅配便を受け取ったということです。

「翌日、私は自分のアパートのドアを開けると、外に箱が置いてありました。私はそれを開けました、すると中には死んだ魚が入っていたのです」とフォーストールは振り返ります。

箱はマイクロソフトから送られてきたもので、脅迫状ではありませんでした。結局のところ、その箱にはシアトルのパイクプレイス魚市場から送られたキングサーモンが入っていたのです!その意味するところは、カリフォルニアのベイエリア(Apple本社所在地)に引っ越すと、フォーストールはその品質の魚を購入することができないよ、というものでした。

フォーストールは魚を調理し、その夜の夕食として食べました。

その後、彼は20年間、NeXT、そして次にNeXTが買収されるAppleと続いて実りあるキャリアを見つけました。マイクロソフトなりのフォーストールへの説得は失敗に終わったということですね。死んだ魚ごときに動かされるフォーストールではなかった、というところでしょうか。それだけ、NeXTでの仕事やジョブズ本人に魅力を感じていたのかもしれません。

フォーストールは2012年に冒頭に書いたとおりiOS 6の地図アプリの失敗の責任をとらされる形でAppleを去りましたが、それは結局当時の他の幹部達を大いに救済したといわれています。

インタビューの全編はこちらでご覧になれます(英語)。

記事は以上です。

(記事情報元:Apple Insider

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