Appleの信頼できるアナリスト、Ming-Chi Kuo氏(郭明錤、天風国際証券 TF International Securities)は本日、2020年のさまざまなiPhoneモデルの内訳に焦点を当てた新しい投資家向けノートを発表しました。Kuo氏は、新しいmmWave 5G iPhoneモデルが、2020年の後半に新規で出荷されるiPhoneの売上げのうち15〜20%を占めると予測しています。
Kuo氏は以前のレポートにおいても、Appleは2020年にすべての新しいiPhoneモデル(今年と同様3機種になるといわれています)に5Gテクノロジーを導入すると予測しています。そして大方の予想通り、2020年の5G対応iPhoneはQualcommの5Gモデムチップを使用する予定です。Kuo氏は、5G iPhoneモデルがmmWaveおよびサブ6GHz帯域の両方をサポートすると考えています。これにより、iPhoneは米国全土に設置された5G基地局に全て対応可能となります。
冒頭の通り、5G mmWaveをサポートするiPhoneモデルの出荷割り当ては、新しい2020年後半のiPhoneモデルの総出荷の15〜20%を占めると予想されます。5G mmWave iPhoneには3つのLCP FPCユニット(他のiPhoneモデルでは単一のLCP FPCユニットが搭載)を使用されることを考えると、LCP FPCのメーカーに多大な利益をもたらすことが容易に想像できます。
またこのレポートでのKuoのもう1つの焦点は、LCPアンテナ設計の採用です。このLCPアンテナは、2017年にiPhone Xに初めて採用されましたが、現行で販売されているすべてのiPhoneモデルに完全に導入されているわけではありません。LCPとは液晶ポリマーのことで、さまざまな温度状況下で一貫した性能を発揮し、損失が非常に少ないため、5Gアンテナテクノロジーに非常に適した材料とされています。
Kuoは、LCP FPCを搭載したiPhoneモデルの出荷割り当ては、2019年の45〜50%から2020年には70〜75%に増加すると予測しています。それについて、Kuo氏は3つの理由を述べています。
- iPhone 11の後継機は、より多くの分野でLCP FPCが採用されます。
- LCP FPCを搭載していなかったiPhone 7シリーズは既に新規での出荷が停止され、事実上廃止されました。
- LCP FPCが搭載されていないiPhone XRの出荷は今後減少します(iPhone 11や来年モデルのiPhone 11後継機によって取って代わられる)
これは、AppleがiPhoneラインアップ全体でLCPアンテナテクノロジーへの移行を続けていることを意味します。これにより、5G時代に対応しデータ伝送パフォーマンスが向上することが期待されているからです。
Kuo氏はかつて他のアンテナ技術の利点を概説していましたが、多くの場合、Appleの部品採用の決定には、部品とサプライヤの可用性が大きく影響します。最近の生産の改善と歩留まりの改善により、LCPの5Gデータ伝送に対しての他のメリットを考慮に入れると、現時点でLCPは非常に望ましいアンテナ材料になるということです。
というわけで、Kuo氏のレポート通りであれば、来年のiPhoneモデルの製造に向けて、LCP製造に関連する各種メーカーの株を買っておくのがいいのかもしれません。もちろん、投資ですので自己責任で。。
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(記事情報元:9to5Mac)