Appleは日本時間9月17日未明にiOS 9(iOS 9.0)の正式版をリリースした。Mixpanelのレポートによれば、初日でアップデート率は11.75%にものぼったという。しかし一部の人がiPhoneまたはiPadなどAppleのデバイスをiOS 9にアップデートした後、動作が遅くなったり引っかかるような現象が起こっていることを報告している。ではなぜそのようなことが起こるのか、そして対策方法とは?
※iOS 9のアップデート率についてはこちらの記事参照
AppleはiOS 9の問題を事前に発見できなかったのか?
AppleはiOS 9正式版リリースの前に長い間内部テストやデベロッパーによるベータテスト、そしてパブリックベータ版による公のテストを行ってきている。しかしiOS 9の正式版がリリースされた後は、一般ユーザのアップデートの量はベータテスト版の比ではないほど増加し、ユーザのデバイスにもテストでは遭遇しえなかった様々な状態のものがあるため、これらの原因で動きが遅くなるということがあるようだ。
ちなみにAppleはiOS 9の正式版をリリースした後、ユーザのフィードバックを見て、すぐにそれらの問題を改善したマイナーアップデートバージョン(例えばiOS 9.0.1)をリリースするのが慣例となっている。
iPhone 4sやiPad 2など古いデバイスをiOS 9にアップデート後、iOS 8などの古いバージョンに比べて遅くなるのはなぜ?
AppleはiOS 9のサポート範囲はiPhone 4sやiPad 2などの古いデバイスにまで及ぶ(アップデート対象)としているが、ハードウェア的にiOS 9システムを快適に動かせるかどうかは保証していないのだ。
実際iOS 9にはiOS 8に比べてそれほど大きな新機能は増えてはおらず、セキュリティや安定性の確保、そしてバグの修正に重点を置くとされていたが、結局は新機種に向けての最適化にすぎない。繰り返しになるが、過去の機種は「使える」というだけで、快適に使えることが保証されているわけではない。実際、新しいiPhoneを売りたいAppleの企業心理からすれば、それは自明の理だろう。
古いデバイスをiOS 9にして遅いと感じたときの対処法
- 今のうちしか使えない手だが、iOSをダウングレードすることで対処可能だ。記事執筆現在ならまだ直前のバージョン、iOS 8.4.1の認証(SHSH)が発行されているので、iOS 8.4.1へのダウングレードが可能だ。
しかしいつAppleがこの認証が打ち切るかはわからないので、どうしても問題が大きいのであれば今すぐにでもiOS 8.4.1に戻すこと。過去のバージョンは一度Appleによって認証が打ち切られたら復活することはないので、チャンスはもう巡ってこない。
iOS 8.4.1へのダウングレード方法は簡単。iOS 8.4.1の自身のデバイスに合うファームウェアをダウンロードし、iTunesに繋げてiPhoneを復元をWinならShift+クリック、MacならOption+クリックし、出てきたウインドウからダウンロードしたiOS 8.4.1ファームウェアを選択すればOK。まだiOS 8.4.1の認証が発行されていればダウングレードされる。もちろん、実行は自己責任で。
なお、iOS 8.4.1のApple公式ファームウェアは当ブログでリンク集をまとめているのでどうぞ。
- 壁紙を静止画にしてシステムの負担を減らす。
- OTAでアップデートした人は特にそうだが、iTunesを使ってもう一度iOS 9を復元し、新しいデバイスとして認識させ、その後iCloudなどから連絡先等のデータを同期する。メッセージアプリなどのApple公式アプリやLINEなどのクラウドと同期していないアプリのデータは引き継げないが、背に腹は替えられない。
- 上記で解決しなかったら、iOS 9.0.1などの修正版が出るまで待つしかない。
iOS 9には動作に引っかかりがある以外にも細かいバグがある
AppleのテクニカルサポートBBSには、他にもiOS 9のいくつかのバグが報告されている。
上にも書いたが、もしまだあなたがiOS 9にアップデートしていないなら、iOS 9にアップデートするのは少し待った方がいいかもしれない。上記に書いたiOS 9.0.1などの修正版が出てからでも遅くない。
Appleの初物は、怖いのだ。。そう、昔からね。。
記事は以上。
(記事情報元:MyDrivers)