未だ普及していないUSB-Cコネクタ、今後の展望は明るい?

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中国国産スマホの中でも異彩を放つ、IPTVサービスの大手LeTV(乐视)が作ったスマートフォン。そのCEOは言動に表裏がある人物といわれているが、しかしLeTVがリリースしたスマホ、【LeTV MAX】にUSB-Cコネクタが採用されたのは注目に値する。

現在USB-Cコネクタを採用している携帯電話は少ないが、将来的には多くのスマホに導入されるのではないかといわれている。現在AppleのiPhoneが採用しているLightning(ライトニング)コネクタを除いて、殆どのスマホのコネクタはUSB-Bタイプ(マイクロUSB)コネクタで、コンピュータ上のUSBコネクタはUSB-A型が多い。

LeTV-MAX_USB-C_Connector

USB-Cを搭載する理由

中国の新興スマホメーカーがUSB-Cを採用する理由はたくさんある。まず、外観上のメリットは、これまでのUSBと違ってコネクタの表裏を考えずに挿すことができることだ。AppleのLightning(ライトニング)と同様で、表でも裏でもどちらでも挿入可能だ(というよりもともと表も裏もない)。これによって挿す方向を間違えるというイライラやポカミスを防止することができるのは大きい。そしてもちろんUSB-Aに比べて薄くて小さいのもデバイスの小型化に繋がる大きなメリットだ。

それ以外にも、USB-CはUSB 3.1をサポートするのも大きい理由だ。これによって電源供給は最大100Wになり、電圧も電流も従来より大きくなり、また伝送の減衰も、USB 3.1ではUSB 3.0の20%から3%に抑えることができる。簡単に言えば、ユーザはUSB-Cケーブルを使うことでもっと速くデータ転送ができるようになり、また速く充電することができるということになる。またこのUSB 3.1では電源のアウトプットもサポートしているため、スマホからスマホへの充電というようなことも可能になる。

USB-Cはまだまだ黎明期

しかし、現在のソフトウェアのサポート状況では、全てのUSB−Cの機能が使えていないのも現状だ。当然USB-Cによる充電はすぐに可能だが、USB 3.1を使った高速データ伝送はすぐにできるわけではない。しかしいずれスマホ業界も完全にUSB 3.1基準をサポートするようになるだろうといわれている。

またUSB 3.1の機能を全て使うには、OSが最新のコードに対応していなければならない。冒頭で紹介したLeTVがリリースしている3種類のスマホはUSB-Cコネクタを備えているものの、搭載しているOSのAndroid 5.0 LolipopではUSB 3.1プロトコルをサポートしていない。スマホからの電源供給については、GoogleもAndroid Mになるまでは使用できないと発言している。

Googleは今年5月に行われたI/Oデベロッパーカンファレンスで、USB 3.1とUSB-Cを全面的にサポートすると発表しているので、今後これらの対応については心配する必要はなさそうだ。Googleによれば、今後USB-Cコネクタを挿しこむとメニューが出るようになり、ユーザが充電するのかそれとも電源を外に供給(アウトプット)するのかを選べるようになるという。

またUSB-CコネクタとケーブルはUSB−AやUSB-Bとの互換性がなく、ユーザは今後6〜18ヶ月は少々不便を強いられるだろう。というのも、専用の外部変換アダプタを使わないとUSB-Cとその他のUSBを繋げることが難しくなるからだ。今後片側がUSB-A、もう片側がUSB-Cというケーブルが登場すれば、ユーザはコネクタがなくてもそのまま現行タイプのコンピュータのUSB-AコネクタからUSB-Cコネクタのデバイスに充電ができるようになる。

フラッグシップモデルが先行

全体的に言えば、現在まだUSB-Cコネクタを搭載しているデバイスはまだ少ない。これまで搭載しているデバイスは、MacBook、Chromebook、NokiaのN1タブレットとLeTVのスマホのみだ。今後SamsungのGalaxy Note 5もUSB-Cを採用する予定だが、恐らく今後は多くのメーカーのフラッグシップモデルにUSB-Cが採用される可能性が高い。というのも、どんなメーカーでも新製品が初めて市場に出た直後は、供給が追いつかないことが多いためだ。そのため、一般的にメーカーは最先端技術は最高値のフラッグシップモデルに搭載することが多い。そしてある程度時間が経過して供給が安定し、価格も落ち着いたところで入門レベルのデバイスにも新しい技術を導入するのが定石だ。USB-Cもそのようになっていくと思われる。

なお、USB-C関連製品を購入する前に、必ずそのデバイスが認証された製品であるかどうかを確認すること。認証を受けていないものだと、USB 3.1プロトコル標準をサポートしていないものもあったりするためだ。

記事は以上。

(記事情報元:cnBeta

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