Appleがサムスンのメモリ値上げを受け入れました。9月17日のGSMArenaの報道で、一次情報はDigitimesです。2027年第1四半期から、LPDDR5Xが1Gbあたり1.50ドル(約234円)から2.00ドル(約313円)へ、NANDフラッシュが0.26ドル(約41円)から0.33ドル(約52円)へ上がります。率にするとLPDDR5Xが33%増、NANDが27%増。この高いメモリを大量に積むのは、2027年秋の新型iPhone(慣例ならiPhone 19)という計算になります。

発売されたばかりのiPhone 18 ProとPro Maxは、前世代より100ドル(約1万5,600円)高い価格です。翌年も値上がりしそうだ、というのが今回の報道の読み方です。
値上げを飲んだApple、断った中国勢
同じサムスンの要求を、OPPOとvivoは拒否したと伝えられています。飲んだのはAppleだけ。差がついた理由は、断っても買い替え先があるかどうかでしょう。
OPPOとvivoには、中国国内にDRAMメーカーのCXMTがあります。サムスンの値段が合わなければ、国内の供給源に切り替えられるというわけです。ただ実際に次に中国国内メーカーがどこからDRAMメモリを買うのかについて、GSMArenaは次期フラッグシップの分解待ちとしています。
中国メモリ排除の代償
Appleは中国メモリの採用に慎重です。2026年8月、Appleは中国CXMTの安価なDRAMオファーを断ったと報じられていました。米議会が中国製半導体への圧力を強めているのが背景です。中国メモリを外すと、世界中を探しても大口で買える相手はサムスン、SKハイニックス、マイクロンの3社に絞られることになります。
買い手は世界中のメーカーで、売り手は実質3社。値段を決める立場がどちらにあるか、明白ですね。サムスンにすれば、Appleという最大級の顧客を押さえつつ、競合する中国勢には強気に出られる。一本につなげて読むと、中国メモリを排除した代償が、サムスンの値上げという形で戻ってきた、ということになります。
メモリ高騰とiPhoneの原価の関係は、9月3日のTrendForce予測を扱った記事でも整理しましたが、今回は翌年の調達価格を巡るより具体的な話になってきました。
粗い試算でも1台5千円のコスト増
増分だけを粗く計算してみると、LPDDR5Xの値上がり幅は1Gbあたり0.50ドル(約78円)。8GBは64Gbなので、仮に全量をこの単価で買うと、増分は1台32ドル(約5,000円)という計算になります。これは8GB構成を仮定したDRAMだけの試算で、実際の増分は契約条件やグレードで変わります。それでも向かう方向はただ一つ、更に容量の大きい上位モデルほど増え幅が大きくなります。Appleのこれまでの大容量モデルの値付けを見れば、わかりますね。
小龍的にはこう思った
小龍的には、調達先の選択肢が価格交渉にどう効くかが気になります。AI向け需要によるメモリ需給の引き締まりも、売り手に有利に働くと考えられます。転嫁額をAppleがどう決めるかは、今回の報道では触れられていません。原価の増分のうち、Appleが吸収する額と購入者が負担する額。この配分が次の焦点です。
代替の供給源があれば、値上げを断る交渉材料になります。選択肢が限られるAppleには、利益を削って吸収するか、価格へ転嫁するかという判断が残ります。もちろん、他の2社のSKハイニックスとマイクロンとの交渉次第というのもあると思いますが、Appleがサムスンの値上げを飲んだということがこの2社に伝われば、価格を抑える交渉は難しくなっていくことでしょう。
言い換えれば、これは米国の半導体政策のコストが、iPhoneの値段に乗った形となります。私もPro Max層の一人なので、高止まりが続くと全然笑えないのですが。。あとはストレージに関しては低容量モデルを買うしかないかもしれないですね。今はクラウドに保存する時代なので、iCloudサブスク料金とストレージハードウェア価格の比較ということになっていくかもしれません。
記事は以上です。
(記事情報元:GSMArena、為替:三菱UFJ銀行公表相場の仲値TTM(2026年9月17日公表、1米ドル=156.26円)過去相場表)
