Appleが2026年9月9日付の中国向けサポート資料で、【iPhone 18 Pro】など中国本土版のeSIM対応機種と開通条件を案内しています。対応機の広がりは歓迎しますが、日本と中国を行き来する人にとっては、購入する地域によるSIM構成の違いと、自分の身分証で中国の回線を契約し、使い続けられるかが、端末選びを左右する大きな分かれ道になります。

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Airから広がった対応機種と、残された物理SIM
中国本土版のeSIMは、2025年10月22日に中国で発売されたiPhone Airで始まりました。当時は物理SIMスロットを持たない薄型機を使うための入口という印象が強かったものの、今回の対象にはPro系や折りたたみ機も入り、買い替え時に通信方式を選ぶ人の範囲が広がっています。
Appleの対応一覧には、iPhone 18 Pro、iPhone 18 Pro Max、iPhone Duo、iPhone 17e、iPhone Airの5機種が掲載されています。回線を提供するのは中国移動(China Mobile)、中国電信(China Telecom)、中国聯通(China Unicom)で、同じ製品名でも販売地域によって扱いが分かれます。購入時には次のモデル番号まで照合しておきましょう。
| 機種名 | モデル番号(中国本土版) | 開通方式 |
|---|---|---|
| iPhone 18 Pro | A3715 | eSIMまたは物理nano-SIM |
| iPhone 18 Pro Max | A3718 | eSIMまたは物理nano-SIM |
| iPhone Duo | A3721 | eSIM専用 |
| iPhone 17e | A3635 | eSIMまたは物理nano-SIM |
| iPhone Air | A3518 | eSIM専用 |
ここで選び方が分かれるのが、DuoとAirはeSIM専用、Pro系と17eは物理nano-SIMでも開通できるという違いです。中国の電話番号をすでに物理SIMで持っている人なら、スロットを備えた機種ではカードを使い続ける道が残りますが、DuoやAirへの移行では、購入とあわせて自分の回線をeSIMへ移す手続きも考えておきましょう。
従来の中国本土版を選ぶ理由には、iPhone XS MaxやXR以来の物理SIMを2枚入れられる構成がありました。中国と日本のカードを手元で差し替えられる分かりやすさは今も意味があり、eSIM対応が増えた今回も、カードを残す機種と本体から完全に取り去る機種では、買い替え後の手間がかなり違ってきます。物理SIMのトレイを残すかどうかは本体の設計にも響くテーマで、18 Pro Maxのバッテリー容量が中国本土版と米国版で変わると報じられた話では、トレイの分の空間を電池に回せるかが差を分けるとされていました。
日本版・香港版・本土版で変わる回線の組み合わせ
では、同じPro系をどこで買うと、どんな違いが出るのでしょうか。日本版iPhone 18 ProとPro Maxの技術仕様では、モデル番号はA3713とA3716、SIMはデュアルeSIMで、物理SIMカードには非対応と明記されています。日本で使っている回線もeSIMへ移す前提になるため、これまでのカードを中国の空港で入れ替える感覚とは使い方が変わります。
対して香港版の技術仕様は、nano-SIMとeSIMのデュアルSIM、およびデュアルeSIMへの対応を示しています。中国の電話番号を物理SIMで残し、日本側の回線をeSIMにする組み合わせを考えられる点が特徴で、香港版を買えば以前と同じように物理カードを重ねて入れられる、という世代をまたいだ思い込みには注意が必要です。中国本土版Pro系の技術仕様には、nano-SIMを2枚、nano-SIMとeSIMを1つずつ、またはeSIMを2つという組み合わせが載っています。この構成なら、普段の中国回線は物理カードのまま保持し、渡航先の回線だけをeSIMで追加する使い方も検討でき、カードスロットの有無が、旅行で削除した中国回線を帰国後に復旧する手間にまで関わってきます。3地域の構成の違いと価格を機種ごとに並べた一覧は、iPhone 18 Pro・Duoの中国本土・香港版SIM仕様と価格比較にまとめてあります。
ただし、中国本土キャリアのeSIMを書き込めるのは、Appleが指定する本土向けモデルに限られます。日本版や香港版を中国へ持ち込んでも本土キャリアのeSIMは追加できず、日本版のようなeSIM専用機では、日本の契約回線の国際ローミングや中国を対象とする旅行用eSIMを用意します。
中国で長く暮らす人なら、日常の連絡先として使う中国の電話番号を、どの端末に残すかから考えると整理しやすいですね。日本版を主端末にして中国回線用の別端末を持つのか、物理SIMを使える地域版でまとめるのかでは荷物も管理の手間も違い、旅行用プランを選ぶ際も、データ通信だけなのか音声通話やSMSまで含むのかを確認しておくと判断しやすくなります。
外国人も申請可能?
外国人の購入判断では、端末の対応と同じくらい、手持ちの身分証で開通できるかが気になります。Appleは政府発行の身分証明書またはパスポートの持参を案内していますが、その文面は発行国を限定しておらず、各社の営業所での受付条件は別に確かめましょう。日本のパスポートだけで一律に開通できるとの保証はありません。
まず制度の土台を見ると、中国工業情報化部の電話利用者実名登録規定第7条は、個人の電話契約で提示できる有効な証明書に、外国人のパスポートを明記しています。したがって外国籍であること自体が電話契約の障害という整理にはなりませんが、電話全般の本人確認規則と、各社がeSIMの受付で実際に扱う証明書の範囲は分けて確認しましょう。
この点について、以下はiPhone Airの中国発売前後に出た2025年秋の報道です。36Krの10月15日付記事は、聯通がパスポートなどを受け付ける一方、移動と電信は身分証や外国人永久居留身分証を対象とし、香港・マカオの人には住民居住証が必要と伝えています。外国人永久居留身分証、いわゆる永住証を持つ人は受付対象に入るため、本土版を選ぶうえで比較的確かな足場になります。
一方、快科技が10月18日に中国電信のFAQをまとめた記事では、有効な証明書としてパスポート、香港・マカオ住民の本土往来通行証、外国人永久居留身分証などが挙がっています。先の報道とは電信の受付範囲が食い違っており、パスポートの項目があることだけを根拠に、日本人旅行者でも必ず契約できると結論づけるのは早計です。さらに科創板日報の11月4日の現地取材は、受付対象の証明書を身分証、外国人永久居留身分証、香港・マカオや台湾の住民居住証としています。永住証を持つ外国人は各報道で共通して開通できる側ですが、パスポートだけの外国人についてはキャリアや時期で説明が割れており、報道から現在の全国一律の受付条件までは確定できません。
同じ日の取材でも、都市や店舗によって説明が食い違っています。新民晩報の2025年10月22日付の上海での取材記事は、パスポートなら中国電信と中国聯通は受け付け、中国移動は当面受け付けないと伝えています。一方、同日付の少数派の店頭取材では、上海の中国聯通・漢口路営業所と無錫の中国移動・第一営業所の店員が、外国人はパスポートか外国人永久居留身分証で手続きできると説明しました。香港・マカオ・台湾の人は往来通行証で手続きできるものの、他地域での手続きには対応しないという案内もあり、同じ中国移動でも上海と無錫ではパスポートの扱いに違いが出ています。
その後、上海市の投資案内サイトに掲載された、国の関係機関による外国人向けガイドの2026年版は、パスポートか永久居留証で電信・移動・聯通のSIMを申し込めると案内しています。ただ、eSIMについては一部の事業者が対応するとして事前の問い合わせを促すにとどまり、受け付ける証明書の条件までは明示していません。Apple中国のiPhone 18 Proの技術仕様にも、3社の営業所で身分証を確認して開通し、追加の条件が必要になる場合があると注記されています。中国移動については、2026年のRedditの利用者報告でも、蘇州で永久居留資格のない外国人は今はeSIMを取得できないと案内された例があり、個人の報告ながら、年が明けてからも断られた声が残っています。
購入前に最寄りの営業所へ、自分の国籍と持参する証明書、購入予定の本土向けモデルを伝え、eSIMの新規契約または今の番号からの切り替えを受け付けるか確認しておきましょう。こうした報道と利用者の声を踏まえると、特に中国移動で開通する予定なら、パスポートだけでは断られる可能性が高いと考えて事前に確かめたいですね。物理SIMの選択肢を持たない端末では、開通の見通しが立ってから購入する順序が現実的です。
店舗での本人確認には、利用者と回線を結び付ける実名登録の土台がありますが、この規定だけからeSIMの店頭限定運用まで必然と考えるのは飛躍です。Appleが案内する実際の手順では、端末の設定とデータ移行またはバックアップを済ませ、証明書と必要に応じて現在のSIMカードを持参し、担当者の確認を経て開通する流れです。
一時帰国で効いてくる、中国本土版の保存上限2つ
中国本土版を持って日本へ一時帰国する場合、Appleの案内では、日本に到着してから現地キャリアのeSIMを開通します。その操作には位置情報サービスが必要で、中国本土内では国外キャリアのeSIMをインストールできません。出発前に日本用プランの申込条件を確かめ、到着後の追加に使う通信手段も用意しておきましょう。
保存数を比べると、日本版Pro系は8つ以上、本土版は最大2つなので、公表値の下限同士でも8÷2=4倍以上の差があり、日本版で同時に有効にできるeSIMは2つでも、残しておける回線設定には余裕があります。比較相手には香港版も入り、香港版Duoも8つ以上の保存に対応する一方、香港版18 Proは物理nano-SIMとeSIMの併用、デュアルeSIMに対応しています。香港版18 Proの保存数の数字は仕様に明記されていませんが、中国番号を物理SIMで残す選択肢まで含めると、日本版との保存数比較だけでは見えなかった違いがありますね。
たとえば中国の仕事用と個人用をeSIMで保存している人が、一時帰国用に日本のeSIMを追加すると、必要数は2+1=3つとなり、本土版の保存上限を3-2=1つ超えます。中国側のどちらかの削除が必要です。日本滞在中に電話やSMSを受ける番号を残し、削除する側を決めますが、両方の中国番号を残す必要があるなら既存回線の国際ローミングも比較対象です。中国のeSIMが普段から1つだけなら1+1=2つで収まるので、削除の手間が生じるのは、すでに保存枠が埋まっている使い方です。
ここで予定に響くのが、削除した中国のeSIMを再開通するには、中国のキャリアの営業所へ出向く必要があるという条件です。仮に7日間の一時帰国なら、初日に中国側の設定を消して日本用を入れた場合、削除した番号をこの端末で使い直せるのは、日本滞在を終えて中国へ戻り、営業所で再開通した後です。日本へ帰国後、設定画面だけで元に戻せるつもりで消すと、仕事用番号の着信やSMS認証を使いたい場面で困るため、再訪店を滞在後の予定に入れておきましょう。毎回この入れ替えを行う前提なら、年3回の一時帰国で再開通も3回となる計算で、これは手続き時間の見積もりではなく、営業所へ行く回数の例です。
対して香港版18 Proの物理SIMとeSIMの併用なら、中国番号の物理SIMを残したまま日本のeSIMを足せるため、その中国番号の設定を削除・再開通する往復を避けられます。この回避策は物理SIMとeSIMを併用できる中国本土版18 Proでも使え、中国番号を最初から物理SIMで持つ人には保存上限の影響が小さくなります。一方、香港版DuoはeSIM専用で、香港版には中国本土キャリアのeSIMを追加できないため、Duoの保存枠の多さと、18 Proで中国番号を物理SIMに残せる利点は、機種を分けて考えましょう。
また、端末からeSIMの設定を削除する操作と、電話番号の契約を終了する手続きも分けて考えましょう。中国電信のFAQを紹介した快科技の記事は、端末から削除しても番号は有効な状態で残り、再発行や解約は別に手続きすると説明しています。一時帰国で端末から消した中国回線も、日本滞在を終えた後の日本用回線も、料金がいつまで発生するかは契約先の条件を確認しましょう。
小龍的にはこう思った
小龍的には、今回の変化は中国本土版の購入理由を考え直すきっかけになります。以前のように物理カードの使いやすさを重視する選び方に加え、中国の電話番号をeSIMでまとめたい人にも選択肢が生まれた一方で、国外を行き来する人には、回線を消した後でどこまで自力で戻せるかも、新たな基準になりました。
特に広東省を生活の拠点にして香港や日本へ移動するような使い方なら、仕様表の対応欄に丸が付いているだけでは判断しきれないですね。中国の番号を残す方法、旅先で追加する回線、帰国後の再発行までの流れを先に決めておけば、薄さや画面の魅力を楽しみながら、通信の都合で予定を崩す場面も減らせそうです。外国人については、永住証で受付対象に入る人には本土版が現実的な候補となり、パスポートだけの人は営業所の回答が購入判断の前提になります。自分の名義で必要な回線を開通できないなら、本土版、とりわけeSIM専用機を選ぶ意味は薄れますから、価格や在庫を比較する前に、普段使う番号を移せるかを確かめる価値があります。
と色々と書いてきましたが、やはり中国本土版のiPhone 18 ProでもiPhone Duoでも、eSIMが2枚までしか追加できないのは大変不便ではあります。すぐ隣の香港版や、日本などのその他の国のバージョンは8つ保存できるので、この差は大きいです。日本と中国以外の世界を飛び回らない人にとってはいいかもしれませんが。。このeSIM2枚制限がとっぱらわれたときが、中国大陸版の買い時かもしれません。
画蛇添足 One more thing…
eSIMは小さなカードを持ち歩く手間をなくしてくれる仕組みですが、中国本土版では、カードの代わりに営業所へ行く予定を持ち歩く場面がありそうです。薄型や折りたたみの端末を選ぶ楽しさは大きいものの、旅行の便利さまで考えると、本体の厚みと同じくらい、帰国後の予定表にどれだけ余白があるかも大事ですね。
関連するiPhone Duoの画面の使い方と地域版のSIM事情については、以下の記事でもAppleの資料をもとに整理しています。端末の形が変わることで得られる楽しさと、今使っている回線を引き継ぐ手間を並べて考えると、自分に合う買い替え方も見えやすくなります。
記事は以上です。
(記事情報元:Apple公式サポート、Apple地域別技術仕様、中国工業情報化部、36Kr、快科技、科創板日報)
