iPhoneやMacBookにも猶予期間が?トランプ政権による米国対中輸入関税引き上げ、スマートフォンとノートパソコンは12月に延長か

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トランプ政権は本日、中国から輸入される多くの家電製品に対する関税引き上げを12月まで延期する、と発表しています。両国間の貿易戦争を憂慮するAppleなどのメーカーに対して、猶予期間を与える形になりました。

U.S. President Donald Trump interacts with Chinese President Xi Jinping at Mar-a-Lago state in Palm Beach, Florida
President Donald Trump interacts with Chinese President Xi Jinping at Mar-a-Lago state in Palm Beach, Florida. REUTERS/Carlos Barria

米国の10%の対中追加関税、特定の製品群は12月15日からに延期

米国通商代表部(The Office of the United States Trade Representative)は声明で、中国から輸入している製品のうち3000億ドルに10%の関税を課す計画を進めていると述べました。トランプ大統領は8月、中国との交渉が停滞した後、9月1日から輸入関税が追加で課せられる予定だとTwitterで表明しましたが、政府の通商担当者はまだそれは猶予期限内であると述べ、大統領本人と実際の行政の温度差を露呈する形になりました。ちなみに米国政府は、中国の輸入品のより小さな範囲に対しては既に25パーセントの関税を課しています。

また米国政府は「特定の製品」が「健康、安全、国家安全保障およびその他の要因に基づいて」追加関税リストから除外されるとしていて、声明には更に、政府は「特定の製品」について12月15日まで関税を停止すると記されています。「このグループの製品には、たとえば、携帯電話(スマートフォン含む)、ラップトップコンピューター、ビデオゲームコンソール、特定のおもちゃ、コンピューター用モニタ、履物や衣類の特定のアイテムが含まれる」と書かれていることから、AppleのiPhoneやMacBookなどのノートパソコンは除外されることになり、12月15日から10%の関税が課せられることになります。

スマートフォンやノートパソコンメーカーには4ヶ月の猶予期間が

この発表はAppleのような製造メーカーにはいくらかの安心と猶予期間を与えるでしょう。ただ、それは一時的なものといわざるを得ません。Appleは関税の費用は基本的に消費者に転嫁されることから、Mac Pro(及び部品)への関税の免除を要求しました。しかしトランプ大統領はその要求を拒否することをTwitterで発表しており、また以前トランプ大統領は、iPhone等Apple製品を買うような消費者は、コストの10%増を「非常に簡単」に受け容れるだろう、と述べています。つまり、金持ちからもっと金を取ろう、という考えなのでしょう。

Appleは生産拠点を中国以外に移管することで対応を検討か

なお、Appleはこの関税引き上げに対して、生産拠点(組立委託先)を中国以外に移管することで対処しようと動き始めていることを、TF International Securities(天風国際証券)の著名なアナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)氏が以前レポートしています。既にインドやベトナムでiPhoneの組立ができるように、組立委託先の台湾企業が動いているのは事実のようです。当ブログでもその情報をまとめていますのでよろしければご参照ください。

しかし延期した後の期日を12月15日に持ってくるとは、年末商戦を意識してのことでしょうか?どのメーカーもそれよりは早く米国に輸入を完了させていることでしょう。駆け込み需要で中国や米国で通関がすごいことになりそうな予感がします。米中貿易業務をしている企業は、早め早めの対策をした方がいいかもしれません。

記事は以上です。

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