Apple、2019年のiPhoneには7nm EUVのプロセッサ採用か。5nmは2020年から

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台湾メディアDigitimesによると、台湾のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)が既に7nmプロセステクノロジー製品の商業的量産に入っていることが、同社のCC Wei CEOによって明かされました。TSMCは更に、新しい5nmノードテクノロジーの量産について、2019年の終わりから2020年の初め頃に開始する予定であることも、Wei CEOから暴露されています。Wei CEOは6月21日にTSMCが主催した台湾で行われたテクノロジーシンポジウムにおいて、最近TSMCの7nmプロセスの生産が予定よりも遅れているという指摘を払拭するためにこの発言をしています。

A12 Chip Apple iPhone

この7nmプロセスで製造されるプロセッサとして最も代表的なものが、今年秋にリリースされるとみられるAppleの3機種の次期iPhone(6.5インチiPhone X Plus、5.8インチiPhone X 2、6.1インチLCDモデル廉価版iPhone X SE?)に搭載されるとみられる、次世代Aシリーズチップ(SoC、メインチップでCPU+GPU等の集合体)の「A12チップ」です。また、もしAppleがこれまでの慣例通り動けば、iPad用のA12Xチップも製造されているかもしれません。TSMCは他にもAMD、Bitmain、NVidia、Qualcommなど20を超える顧客を抱えていて、主要な出荷時期は2019年の始まり頃とみられています。ということは、今年秋のAppleの新型iPhoneに7nmプロセスのA12チップが搭載されるとなれば、これは他社を先取りした製品ということになりそうです。

TSMCは7nmプロセスで50種類もの製品を開発していて、そこにはAI、GPU、暗号通貨アプリ(マイニングアプリ)、5G対応通信機器等が主要な製品ジャンルになります。

TSMCは更に進化した7nm EUV(極端紫外線リソグラフィ)を2018年後半からリスク製造し始めるとWei CEOは発言しています。そしてその先の5nmプロセス製品の量産は、2020年の頭からになるとWei CEOが明らかにしていることから、来年のiPhone(2019年秋リリースとみられる)は、今年と同じく7nmプロセスのプロセッサを搭載するということになりそうです(ただし、7nm EUVに進化する可能性があります)。なお、この5nmプロセスのために、TSMCは250億ドル(約2兆7,486億円)の投資をしたとしていますが、具体的な時期については明言を避けています。

TSMCは将来的に3nmプロセスの製造設備も、Southern Taiwan Science Park (STSP)のFab 18において既に準備を始めていることが、TSMCの代表を退いたばかりのMorris Chang氏によって、2018年1月に明らかにされています。

プロセスが小さくなることによって、省電力化や高速化が望めます。ちなみに現行のiPhone X/8シリーズのA11 Bionicチップに搭載されている10nmプロセスよりも、7nmプロセスの方が最低でも50%省電力化が実現するといわれています。もちろんiPhoneはディスプレイなど他でも電源を消費するので、単純にCPUのプロセスが微細化してもバッテリー持続時間が倍になるというわけではありませんが、改善には繋がります。

ただ、プロセスが微細化するにつれて、テクノロジーのボトルネックや超えなければならない壁が出てくるのも事実で、TSMCとしても株価を保つためにトップが楽観的なロードマップをオープンにしているという風にとらえることもでき、実際の製造時期は後ろにずれ込む可能性もなきにしもあらずです。また、来年・再来年以降もTSMCがAppleのiPhoneやiPadシリーズのチップを独占受注できるかどうかについても未知数です。

記事は以上です。

(記事情報元:Digitimes

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