自動運転技術のスタートアップ企業であったDrive.aiが閉鎖となり、Appleがその才能をすくい上げているという情報が入っています。
Drive.aiが閉鎖、主要従業員のうち一部をAppleが雇用
普通の自動車を自動運転車に変貌させるキットを開発・製造していたDrive.aiは、カリフォルニア州雇用開発局に従業員90人全員の解雇を通達しました。しかし今月初めにはAppleがこの会社の買収を検討していたというのです。結局AppleはDrive.aiの買収という形ではなく、主要な従業員のごく一部を採用する、という形で終わることになったようです。
「これまでのところ、Drive.aiの元従業員5人がLinkedInのプロファイルを変更し、6月にDrive.aiを退職し、同月にAppleに入社したと書いています」と、San Francisco Chronicleが報告しています。「彼らのAppleでの新しい役職には”Special Project”と入っているのが特徴です。この5人はデータ・システムおよびソフトウェアエンジニアを含まれています。」
Drive.aiはスタートアップ企業、自動運転機能を後付けできるキットを提供
Drive.aiは、2年前に2億ドル(約200億円強)と評価されたスタートアップ企業ですが、今週金曜日までにマウンテンビューにあるオフィスを閉鎖する予定です。同社の技術は他の自動運転車のスタートアップとは一線を画すもので、レーダー、カメラ、そして普通の車に自動運転機能を後付けすることができる「LiDARシステム」を含むキットを提供していました。
Drive.ai社は、AT&Tスタジアムへの固定ルートで顧客を輸送する自動運転シャトルサービスをテキサス州アーリントンで提供していました。このプロジェクトは本来10月まで実行される予定でしたが、5月31日に中止されていたのです。
Appleの自動運転技術の開発はあまり芳しくない状況
一方、Appleの自動運転車プロジェクトは、過去5年間で多くの路上での衝突を経験しました。そして今年初め、同社はプロジェクトに携わっていた約200人のハードウェアエンジニアを解雇または他部門に異動させました。ただ同社はこれで自動運転技術を諦めたわけではなく努力を続けており、主にソフトウェア方面に焦点を当てているようです。
Appleの自動運転はソフトウェア開発に焦点が移動か
当初は自動運転可能なEV(電気自動車)の「Apple Car」を開発しているという噂もあったApple社内の極秘プロジェクト「Project Titan(プロジェクト・タイタン)」ですが、現在はEV本体というよりは自動運転技術のソフトウェアや、普通の自動車を自動運転車に切り替えるようなツールに開発方針が移行している可能性があります。今回のDrive.aiの主要技術者の事実上の引き抜きも、その動きの一環なのではないかと推測されます。
記事は以上です。
(記事情報元:San Francisco Chronicle via Cult of Mac)