Appleが随分と思い切ったことをやりました。大中華圏以外の全てのApple Store(直営の実店舗)を3月27日まで2週間閉鎖することを発表したのです。6月のWWDC 2020のオンライン開催の決定に続き、Appleは新型コロナウイルス感染症関連で矢継ぎ早に対策を出したということになります。
Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOはお客様への手紙という内容の中で、中国が今回行った、国民の移動などを制限する「封鎖式管理」が新型コロナウイルスの封じ込めに有効であったことを評価しています。
得られた教訓のひとつは、新型コロナウイルスの伝染リスクを最小限に抑える最も効果的な方法は、人が密集するのを避け、人同士の距離を最大限に保つことです。中国以外の場所では引き続き、新たな感染者の数が増える状況にありますが、Appleは当社の従業員およびお客様を守るために、さらなる措置を講じています。
Appleは大中華圏での店舗を全て再開し、またイタリアとスペインの全ての店舗を閉鎖していましたが、ここにきて大中華圏以外の店舗を全て閉鎖することになりました。もちろん、お膝元の米国の店舗も含まれます。
ちなみに大中華圏とは、中国本土、香港、マカオ、台湾、シンガポールを含みます。
なお、直営の実店舗は閉鎖するものの、オンラインのApple Storeなどは引き続き運営することをクックCEOは発表しています。しかも閉店中も時間給で働いているスタッフ(アルバイト)はそのまま時間給の支給を継続し、また休暇ポリシーを拡張し、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)に由来する当人や家族の健康状態や病気からの回復、家族などの大切な人が罹患した場合の看病、強制的な自宅待機(自己検疫)、さらには、休校に伴う子どもの世話の問題などにも対応できるようにしたということで、かなり従業員思いの会社であることをアピールしています。
当ブログでもお伝えした通り、今回新型コロナウイルスが拡散したもととなった武漢市が含まれる中国湖北省や、浙江省温州市の2地域(この2地域は現在でも封鎖されていて、基本的に外部との行き来ができなくなっています)の従業員に対してマスクやiPad、お菓子などのプレゼントをするなど、従業員に対しては更に厚いケアがあったようです。
更にAppleは、今回のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対して既に1500万ドル(約15億円)の寄付を行っていて、また従業員による寄付にはAppleが更に倍の金額を上乗せして寄付するということも行っているということで、対外的にも非常に印象がよくなっていると思います。
一時的にAppleの売上げは下がるのは間違いなく、特に今年第1四半期〜第2四半期は落ち込むと思われますが、今回のように利益を捨ててでも責任をもってしっかりと対応することで世の中の印象がよくなり、今回のCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)が収まった後は更に業績を伸ばすのではないかと期待されます。
また、今回のAppleの行動は他の企業にも影響を与える可能性があります。
記事は以上です。