Apple、WWDC 2020を史上初のオンラインで開催

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Appleは、毎年主催しているWWDCを、今年(WWDC 2020)は初めてオンラインのみで開催することを発表しました。WWDCとはWordwide Developer Conferenceの略で、世界開発者会議とも呼ばれます。

WWDC 2020
Apple公式のWWDC 2020のページ。なんだかデザインもとってつけたような感じでちょっとAppleっぽくないですね。

例年5000人ほどが実際に集まる大イベントとなっていたWWDCですが、今年のWWDC 2020は現在米国でも急激に流行が確認されている新型コロナウイルスの集団感染が懸念されることから、初めてオンライン開催になりました。開催時期は、例年と同様6月になりますが、具体的な日程は発表されていません。今回は会場を抑える必要もないので、いつからいつまでという予測をするのも難しそうですね(これまでは会場の予約スケジュールを調べることで容易に予測できました)。

開発者のためのイベントなので、最近はハードウェアの発表は稀でした。ちなみにかつてスティーブ・ジョブズの時代にはWWDCでもよくハードウェアが発表されていました。2003年のPower Mac G5の発表、2005年のIntel Macへの移行は大きかったですし、iPhone 3G・3GS・4はWWDCで発表されていたのです。他にもHomePodやiMac Pro、Mac ProもWWDCです。なお昨年はMac ProとPro Display XDRが発表されて驚かれましたが。。ちなみに今年もiPhone SE 2(iPhone 9?)や新型iMac(iMac Pro?)、MacBookシリーズなどのハードウェアの発表があるかもしれません。

そんなわけで多くの一般人からすれば、WWDCといえば最近はiOSやmacOSなどAppleデバイスに搭載される新型OSの1年に1度のアップデート内容の発表しか印象にないかもしれません。しかし実はこれらの多くの人の目に触れるのはWWDCの初日のごく最初の部分、「基調講演(キーノート)」に過ぎません。その後、数日かけて開発者(デベロッパ)は様々な分野の小さい講義などに出て、Apple社員や他の開発者達と交流をする「セッション」に参加するわけです。

そのWWDCへの参加には、開発者にはADCへの登録に加えて数十万円という参加費が必要で、しかも抽選となっていました。開発者は上記の通り実際のApple社員や開発者同士の交流のためにその大金を支払っていたわけですが、今回は直接交流は難しくなります。WWDCがどのような形式になるのか、詳細はまだわかっていません。料金を払うと、特別な講義やチャットに参加できるようになったりするのでしょうか。一応「セッション」はあることになっているので、何らかの形で新しいAppleのOSやデバイスで開発者が更に進んだ開発ができるようなコードや手法を学ぶ環境を提供するのは間違いなさそうですね。

なお、今回デジタルオンリーでの開催となったことから、毎回会場として使われていたサンノゼ(San Jose)への損失補填として、Appleは100万ドル(約1億円)を寄付するということです。Appleの保有する現金に比べればこんな額は雀の涙ほどです。こういうときにやっぱり懐に余裕のある会社は違いますね。

ただ、今回オンラインでもしWWDCが成功したとしたら、今後はわざわざオフラインで大規模イベントを行うことはなくなるかもしれません。また、もしオンラインでデベロッパに対するサービスが提供できるのであれば、WWDCのように時期を1週間に区切る必要もなくなります。経済的には人の移動をはじめWWDCは色々と現地に恩恵をもたらしてきたとは思うのですが、そのお金は開発者の懐から出ているわけで、更に大元を辿れば、その開発者が開発したアプリを買ったり、そのアプリを使うためのApple製品を買う消費者の財布から出たものです。経済はお金が動いたり回ったりしてナンボというのはわかるのですが、ずいぶん余計なところにお金が回っていた可能性はないのかな。。と日本の野党みたいなあら探しをしてもつまらないですか。個人的にはもうこれ以上のApple製品の値上げは勘弁して欲しいなと思う次第です。

オンラインで全てが完結するのかどうか、これもまた議論の種になりそうです。ただ、開発者でもない我々のような一般人はWWDCの基調講演をオンライン(Apple公式サイトやアプリなどで中継されます)で見ているだけなので、結局例年とはあまり変わらないのかもしれません。基調講演のムービーに写り込む、なんだかサクラみたいな「うぉー」とか「ヒュー」とか、拍手をしている観客(多くは、提灯メディア)がいなくなるだけです。現在大相撲が無観客で行われていて、それをNHKで中継しているので、日本人としてはそういったものにもう慣れているといえるかもしれません。他のスポーツでも一部無観客試合が実行されていますよね。

真剣に考えてみると、今年はどんな基調講演になるのでしょうね。人を集める必要もないので、ホールでやることもないし、会議室でやるのもクラスターをつくってしまうので、それぞれのSVPが自分のオフィスから、あとはゲストも自分の部屋から、みたいになるのでしょうか。見る方も、オンラインしかないのでは即時性は特に重要だと感じなくなりますよね。何となく盛り上がりに欠ける気がします。勝手にディスプレイの前で酒でも飲みながら叫びつつ応援するしかなさそうです(深夜に虚しい。。

ちなみに私は基本、殆どがオンラインで完結している人ではありますが、家族や友人とはオフラインで会いたい派です。笑

ところで新型コロナウイルスの影響は大きく、Appleは今日、スペインの全てのApple Store(直営店)店舗の暫定的な閉鎖を始めています。イタリアとスペインの店舗が全て閉鎖されたことになります。今年のヨーロッパ地域での販売業績に大きな影響を及ぼすのは必至といえそうです。そして、次はアメリカが待っているかもしれません。。

記事は以上です。

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