Appleのティム・クックCEO、銃撃事件に「正義はまだ遠い」と発言

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世界中でテロ事件が相次いでいるが、特にここ数日はアメリカで黒人と警察間の軋轢が続いている。5日南部ルイジアナ州バトンルージュで、また6日にはミネソタ州ファルコンハイツで警察が黒人市民2人を銃殺し、その一部始終の動画がインターネット上に公開されたことで黒人市民全体の怒りを買い全国的な警察に対するデモに発展、そのデモの最中にテキサス州ダラスで白人警察5人が襲撃される事件が起こっている。

ティム・クック(Tim Cook)はAppleのCEOになったあと、会社内部の平等待遇という原則に基づき最大限の努力をしているが、このテキサスで発生した銃撃事件に非常に敏感に反応し、Twitterでメッセージを発している

ジョン・ルイス(左)とティム・クック(右)
ジョン・ルイス(左)とティム・クック(右)

ティム・クックCEOはTwitterの個人アカウントで、「今週発生した殺人事件は、私たちの正義はまだまだ非常に遠いということを思い知らせてくれた。私たちはよりよくなることができるし、なるべきだ」

クックのこの言葉はジョン・ルイス(John Lewis)の1日前の発言に呼応したものだ。当時ルイスは人権運動の指導者として、ジョージア州の議員としてSNSで彼のフォロワーに、彼はかつて白人専用のトイレに入ったことで牢屋に繋がれたことを明らかにしている。そのことは1960年代に起こったこととはいえ、現在のアメリカでも人種差別は根強く残っており、アメリカが追求している自由と平等はまだまだ実現は難しいことを物語っている。

ティム・クックは更に、ダラスで殺害された警察官の家族と心は共にあるとし、正義は暴力には負けないとエールを送っている。

また、マーティン・ルーサー・キング牧師の言葉も挙げている。

長い間、Appleは業界でも人権を大事にする企業として、人材募集の際には性の趣向や肌や性別を考慮していない。先月13日に行われたApple主催の世界開発者会議(WWDC 2016)の基調講演で、Apple MusicとiTunesの世界コンシューマ市場のトップを務める黒人の女性、Bozoma Saint Johnがステージで講演した時に、開発者の熱烈な拍手を浴びた。なぜなら彼女は強烈な個性を備えていて、ユーモアのこもった伝達方式を使ったからだ。

これは多かれ少なかれ、クックのやり方が間違っていないことを証明しているといえるだろう。

 

画蛇添足 One more thing…

上記はティム・クック自らも自身がゲイであることをカミングアウトしており、性別や性趣向については寛容な姿勢をとっていることも大きな要因だろう。

しかしアメリカは1960年代よりはよくなったとはいえ、まだまだ人種差別はなくなっておらず、人種同士の本当の理解は進んでいないように見える。世界中でも、同じ人種でも民族同士や異なる宗教同士の争いがあることからも、問題はまだまだ根深いといえるだろう。ティム・クックは自分なりのやり方で、それを改善しようとしている。素晴らしいことだと思う。

人間や動物は異なるものを見ることで相手を認識する。しかしその認識には自然と”優劣”が伴う。それがマクロに共有されるようになってくると、問題が起こってくるのではないだろうか。

記事は以上。

(記事情報元:9to5Mac

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