Appleのティム・クックCEO、トランプ大統領の移民政策を支持しないことを従業員向けに表明

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Tim-Cook_Apple-CEO
Getty/Justin Sullivan

本日Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOが従業員向けの社内メールの中で、アメリカのドナルド・トランプ新大統領が昨日サインした移民政策を支持しないことを表明した。クックCEOは更に、Appleの人材リソース、法律とセキュリティチームが全ての影響を受ける従業員と連絡を取り、新政策の下で発生しうるあらゆる問題を解決することにも言及している。そしてAppleは今後もホワイトハウスと接触し、新政策がApple社に与えるマイナス面の影響を解決するよう働きかけることを約束している。

トランプ大統領がサインした新移民政策とは

トランプ大統領の移民政策では、120日以内には全ての難民のアメリカへの受け入れを停止し、シリアからの難民は時間を定めずに入国禁止、またイラク・イラン・ソマリア・スーダン・リビア・シリアとイエメンの国民の入国を90日間にわたって禁止しするというものだ。新政策によって該当する移民は全国各地の空港で拘束されるという。

この新移民政策はAppleのみならず多くのテック企業で働く従業員にとっては恐怖感を煽ると共に新政権への怒りを買うものとなってしまっている。

 

先週、クックCEOはトランプ大統領の家族と夕食をとったが、本人と直接会っていなかった

先週、Appleのティム・クックCEOはワシントンD.C.でユタ州のOrrin Hatch下院議員と共に経済とテック業界について討論し、トランプ大統領の娘のIvanka Trumpと娘婿のJared Kushnerと一緒に夕食をとった。ただ、クックCEOはトランプ大統領と直接会って話すことはしなかった。

 

昨年12月、クックCEOはトランプ大統領と会談していた

PM-Donald-Trump_Tim-Cook-CEO

昨年12月、クックCEOとAmazonのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)CEO、Microsoftのサティア・ナデラ(Satya Nadella)CEO、そしてTeslaのイーロン・マスク(Elon Musk)CEOなどのテック業界のトップ達がトランプ大統領(当時は当選が決まった次期大統領ではあったが)と会談し、その際には貿易や移民に関する話題も取り沙汰された。

 

画蛇添足 One more thing…

AppleはFBIとも戦ったこともあり、今回トランプ大統領の移民政策を支持しないことも表明した。他にも、トランプ大統領が息巻いているアメリカでの製造についても、あまり協力的とはいえない態度を示している。世界で最も価値の高い企業として、Appleはアメリカ政府に対しても莫大な影響力を持つ。

とはいえ、最終的に政策を決めるのはホワイトハウスのトランプ大統領だ(但し、大統領が直接サインする大統領令も司法によって監視されるため、全てが通るわけでもない)。さて、今回のクックCEOの行動が、Appleにとっては吉と出るのか、または凶と出るのだろうか。。

Appleのこの行動はお膝元のサンフランシスコなどで多くの人の支持を得る可能性がある。というのも、まずサンフランシスコ・シリコンバレーは移民の街で、多くの人が入国禁止区域を含む国から入国して仕事をしているからだ。もっといえば、アメリカそのものが移民の国で、トランプ大統領の祖先も当然移民だった。移民に寛容なのがアメリカの国力の源だったはずだ。そう考えれば、今回の新政策はアメリカそのものの存在を脅かすことになる。そして既に司法(連邦裁判所)も大統領令を一時停止判断をし、難民や移民の受け入れについて緩和している。完全な大統領独裁ではないのもアメリカの特徴だ。もちろん、現在は非常に混乱しているが。。

それにしても、このように自由にものが言える社会はさすがアメリカといったところだろうか。中国だったら、例えばアリババのトップのジャック・マーあたりが習近平総書記の政策に不支持を表明するようなもので、そんなことをしたら中国ではとても生き残っていけないからだ。日本でも企業のトップがそんなことをしたら社内外からも「空気読めよ。。」という評価になるかもしれず、ソフトバンクの孫正義氏くらいしか、権力にたてついていないのかもしれない。

記事は以上。

(記事情報元:Business Insider

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