米Apple社が公式サイトの幹部紹介ページで、ソフトウェアエンジニアリング担当SVP(シニア・ヴァイス・プレジデント、上級副社長)のクレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)が正式にSiriの開発について担当することになったことを公表しました。つまり、Siriのボスが入れ替わったことになります。
ちなみにこれまでSiriのトップを担当していたのはエディ・キュー(Eddie Cue)SVPでした。
フェデリギSVPはApple社のソフトウェアエンジニアリング担当SVPで、直接ティム・クック(Tim Cook)CEOにその仕事を報告する役職にいます。彼はこれまでiOS、macOS、watchOS、tvOS等のOSやその他ソフトウェアの開発を担当してきましたが、今後Siriの開発も担当していくことになります。フェデリギSVPのチームの役割は、Appleのイノベーティブな製品にぴったりのソフトウェアやシステムを提供することで、そこにはUI開発やアプリケーションとプログラミング、そしてフレームワークも含まれています。
Appleの公式サイトではようやく公式にフェデリギSVPがSiri部門のトップとなったことが明らかにされましたが、実はこの兆候は既に1年以上前から始まっていました。それはこれまでのインタビューやイベントにおける彼の発言からもわかっています。
例えば、昨年のWWDC(世界開発者会議)の中で、フェデリギSVPはAppleの営業のトップのフィル・シラー(Phil Schiller)SVPと共にSiriKitにおいてサードパーティのデベロッパ(開発者)に向けてポートを開放するかどうかの問題について語ったことがあります。また今年のWWDCでは、フェデリギSVPは壇上でiOS 11におけるSiriの改善について、よりナチュラルな人の音声や、内部に翻訳機能を備え、また機械学習機能やAIに関しても進歩があることを自らプレゼンしています。
エディ・キューSVPは今後もiTunes Store、Apple Music、Apple Pay、Maps(地図)、iCloud、iWork、iLifeなどのソフトウェアパッケージを引き続き担当するようです。エディ・キューSVPがSiriから外れたのは、キューSVPはどちらかというとAppleオリジナルのコンテンツの制作に注力していくためではないかとみられています。
エディ・キューSVPとクレイグ・フェデリギSVPは、フィル・シラーSVPと共に既にAppleの名物SVPとなっていますが、エディ・キューSVPとフィル・シラーSVPは先代CEOのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)の子飼いだったのに対し、クレイグ・フェデリギSVPはティム・クックCEO時代に抜擢され頭角を現してきた人です。スティーブ・ジョブズという偉大なカリスマ亡き今、AppleのSVPの中でもその甘いマスクを持ち、壇上でのプレゼンもなかなかユーモアに溢れていて、これから更に人気を博しそうな感じがします。SiriもフェデリギSVPがトップになることで、彼のような陽気で更にユーモアが効くようになってくれるといいかもですね!?
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors)