昨日当ブログでiPhone修理業者によるエラー53に関する見解についてご紹介したばかりだが。。
本日Appleが「エラー53問題」に対応したiOS 9.2.1の新ビルド、「build 13D20」をリリースしたことがTechCrunchの報道で判明した。
この新ビルドによって、Apple正規ではない修理業者による修理によってTouch IDのペアリングによりエラー53が発生したとしても、所謂”文鎮化”してしまうことなく復元ができるようになった。
iOS 9.2.1 新ビルド「build 13D20」へのアップデート方法
この新ビルド「build 13D20」へのアップデートはiTunesのみで可能で、OTAによる差分アップデートによるアップデートは不可能。
iOS 9.2.1のバージョン番号は変わらず、ビルド番号のみの変更
iOS 9.2.1は記事更新時点の最新iOSで、バージョンそのものは変わっていないが、内部の「ビルド番号」が更新されたことになる。なぜなら、エラー53の問題はiTunesでアップデートした端末にしか発生せず、OTAによるアップデートをされた端末では発生しないからだ。つまり、既にエラー53が”文鎮化”して使えなくなったiPhoneとiPadもiTunesを使ってこのiOS 9.2.1の最新のビルド「build 13D20」で復元できるようになる、ということだ。
Appleによる公式見解はこちら。
Appleはエラー53について言い訳と謝罪、Appleでの修理が有料だった場合は返金可能に
AppleはTechCrunchに、エラー53は「工場出荷前にTouch IDが正しく動作するかどうかを確認するためのテストのために設計」されたもので、「ユーザに影響を与えることは意図していなかった」として謝罪しているものの、正直全く配慮が足りない行為だったことであることは否めない。
なお、このエラー53問題によって以前AppleCareで修理して有償だった人は返金されるそうなので、該当する人はAppleに連絡すべし。
Touch IDのエラーで端末全体が使えなくなるのは明らかに間違った施策、またタイミングにも問題があった
TechCrunchも指摘しているとおり、Touch IDはセキュリティや個人情報を守るために必要なもので、それをサードパーティの修理などが安価なものに交換したり、何らかの悪意のあるものにすげ替えたりする可能性があり、ペアリングができないことでTouch IDが使えなくする方策は間違っていないが、それによって端末そのものが使えなくなる、しかもその場ではなく復元・アップデートのタイミングで使えなくなるというのは明らかに間違ったやり方だった。
なぜなら、全く故意ではないTouch IDの故障でも、復元・アップデートのタイミングで端末が使えなくなるのは予測できないことで、ユーザに苦痛を与えるためだ。またAppleCareによる公式のサービスが受けられない国や地域でiPhoneやiPadが故障したときに、どうしてもサードパーティの修理屋で修理しなければいけないこともあることをAppleは気にしていない。iPhoneがユーザにとって既に生活や身の回りからなくすことはできないデバイスになっていることをAppleは承知の上で、だ。
そしてもし本気で公式で修理しようと思ったら、いつも非常に混雑しているApple Storeのジーニアスバーに苦労して予約を入れるか、または非常に対応が悪いApple公認の”クイックガレージ”に相談するしかない。Apple自身のアフターサービスの質が低いために、サードパーティの修理屋さんが多数登場しているわけで、その辺は持ちつ持たれつの関係のはずだ。
Touch IDによる「エラー53問題」の詳細はこちら
エラー53問題については当ブログでも複数回にわたって解説しているのでご参照いただければと思う。
▼最初にエラー53についてお伝えした記事。
▼Appleが公式見解を発表、そこには疑問があった。そしてこの問題はユーザによる集団訴訟にまで発展。というわけで新ビルドリリースに繋がったわけだ。
Touch IDが壊れたら、やはりApple公式の修理サービスに持ち込むしかない状況は変わらない
端末が文鎮化して使用不能になる問題は避けられたが、最終的にTouch IDの修理はやはりいくら対応が悪くてもApple公式の修理サービスに持ち込むしかない状況に変わりはない。公式修理が完了するまでは、設定>一般>アクセシビリティで設定可能な”Assistive Touch”などで乗り切るしかないことになる。
▼参考までに、昨日アップした、修理屋さんによる見解。
iOS 9.2.1 build 13D20のipsw(ファームウェア)ダウンロードはこちらから
復元の際に、予めダウンロードしておいた方がいちいちダウンロードしなくても速く済むので、転ばぬ先の杖で以下のリンク先から保存しておいた方がいいかもしれない。なお、Apple公式が公開している正規ipswファイルへのリンクなので安心していただきたい。
記事は以上。
(記事情報元:TechCrunch)