Apple、iOS更新・復元時の致命的なエラー”エラー53″にようやく公式見解。しかし疑問が残る結果に

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MacWorld≫の報道によると、過去数ヶ月、多数のTouch ID付のiPhoneやiPadユーザがiOSをアップデート(更新)したり復元しようとしたときに”エラー53″メッセージが表示され、これが表示されると完全にデバイスが文鎮化してしまってAppleに修理(というより交換)してもらうしかないという

実はこの問題についてはかつて当ブログでも採り上げたことがある。

そしてようやくAppleはこの件について公式見解を発表したが、その見解には大きな疑問が残るのだ。

iOSの更新や復元で発生する未知の”エラー53″とは

この”Error 53(エラー53)”は、iPhone 6やiPhone 6sのiOSをアップデートしようとすると発生し、そしてデバイスが使えなくなってしまう(文鎮化する)というものだ。そして奇妙なことに、Appleはサポートフォーラムに特にこのエラーについて記述を残しておらず、他の比較的容易に修復できるエラーと一緒くたにしてしまっている。新聞≪The Daily Dot≫のオンライン版の記者Mike Wehner氏によれば、このError 53を修復する唯一の方法は、端末をAppleに持ち込むか送って新品に換えてもらうしかないという。

 

Appleの”エラー53″に対する「公式見解」

そしてAppleが公式に英国のメディア≪The Guardian≫に対して、このError 53問題についての見解を発表した。それによれば、Appleはこの問題はAppleの許可を得ていないサードパーティの業者によって修理され、それによってiPhone(或いはiPad)のTouch IDの指紋センサーと、指紋データを保存するSecure Enclaveモジュールの独特なペアリング関係が崩れたために発生するとしている。もしこのペアリング関係がなければ、悪意のある人が何らかの細工を施した指紋認証センサーを設置することで指紋情報が漏れてしまうという潜在的な危険性があるため、このペアリングが失敗し確認できない場合デバイスを使えなくするという措置にしているとのことだ。

「許可を得ていない修理屋がiPhoneの修理を行った場合、Touch IDの指紋認証センサーに影響するフロントパネルの破壊や、その他の部品が無効になることによってペアリングが失敗した場合、その場ではエラーが発見されないことがあります」とAppleの女性スポークスマンは見解を語っている。「その後のアップデートや復元で、セキュリティチェックがかかったときに”エラー53″が発生するのです」。

 

Appleの”エラー53″はサードパーティ修理業者に対する規制?

Touch-ID_Apple_iPhone_iPad

しかし、Appleの問題の”ウォッチャー”達は、Error 53はAppleの非正規業者による修理に対する規制の1つだと見なしている。Appleの最新のiPhoneはこれまでよりは比較的修理しやすいものの、独特のTouch ID指紋認証のペアリング方式は、Homeボタン或いはTouch IDセンサーを自前で修理する際に影響してくる。Appleの上記の公式見解では、この独特の方式はユーザが自分のセキュリティを守るために必然的なものだとしている。なぜなら指紋データには各種のプライベートな情報が詰まっているからだ。

 

Appleの”エラー53″への公式見解には矛盾が、エラー発生のタイミングに問題あり

Appleは会社としての見解や態度を明らかにしたが、しかし全てのError 53に対する問題に解答したわけではなく、疑問が残る前出のWehner氏のiPhoneもError 53が発生したが、彼はサードパーティの業者による修理は行ったことがないといい、恐らく指紋センサーそのものの故障の可能性が高いという。Wehner氏は指紋センサーが使えない状況下でiPhoneを1ヶ月使用し、そしてiOSをアップデートしようとしたタイミングでエラー53が発生し、iPhoneが文鎮化してしまったというのだ。Appleはこの問題については何も回答をしていない。

そして、もしこの問題がiOSの更新や復元の過程でしか発生しない場合、ではAppleの言ういわゆる”セキュリティチェック”はいったい何の役に立つのだろうか?もし何らかの悪徳業者が何らかの細工を施したTouch IDに入れ替えたとしても、iOS更新や復元のタイミングでしかわからないのであれば、その期間中のセキュリティやプライバシーの確保はできないということになる。やはりAppleの説明には疑問が残るのだ。

 

Touch IDは大事に扱おう

そしてもう1ついえることは、もしあなたのTouch ID付のホームボタンに問題が出て、サードパーティの業者による修理を行った場合は、”Error 53″が出る可能性が高く、そしてその日は案外近いということだ。

そんなわけで、特にTouch ID付デバイスの修理は、Apple Storeのジーニアス・バーに持ち込むか、公式の修理業者に持ち込んだ方がいいだろう。そして、Touch ID付のホームボタンはできるだけ大事に扱うことだ。Touch IDとそのモジュールは、スリープボタンやボリュームボタンやカメラのように、ボタンやそのユニットを交換してしまえば修理が完了するものではなく、公式修理以外では交換がきかないものだからだ。

記事は以上。

(記事情報元:MacWorld , The Daily Dot , The Guardian

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