海外メディアMashableの報道によると、Apple(アップル)の共同創業者スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)が膵臓がんでこの世を去ってから今まで既に3年半の時間が経過したが、しかし現在のCEOティム・クックはまだその携帯電話(当然iPhoneだろう)の中にジョブズの連絡先を残しているという。間もなく発行予定の”Becoming Steve Jobs”では、クックがジョブズが亡くなった後にずっと連絡先を消せないことの詳細が語られている。
Becoming Steve Jobsで明かされるジョブズ周辺の人たちによるジョブズのエピソード
この本が発行される前までは、このことは誰にも知られていなかった。この本の中では、Brent SchlenderとRick Tetzeliによるジョブズの友人や元同僚などのインタビューによって、デザイナーのジョニー・アイブ(Jony Ive)やジョブズの夫人であるローリーン・パウエル・ジョブズなどを含む多くの名の知られた人たちが、まだ知られていないジョブズの一面を語っている。
今回のクックがジョブズの連絡先を削除しきれないという一件は、Appleの幹部同士の厚い友情を物語っているといえるだろう。
ピクサーのCCO、ジョン・ラセターが語るクックとジョブズのエピソード
“Becoming Steve Jobs”では、2013年にローリーンが50歳の誕生部を迎えたときに、ピクサー(現ディズニー)のチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)のジョン・ラセター(John Lasseter)がクックと共にジョブズについて語ったことが記されている。
■左からEdwin Catmull、Steve Jobs、John Lasseter
「私はあの日、ちょっと早めに行ったんだ。そうしたらすぐにクックも来た。そして私たちは話し始めたんだ。私は彼にジョブズのことをまだ思い出すかい、と聞いた。クックの答えは、Yesだった。」「私はずっと忘れられないんだよ」とラセターはクックに自分の携帯電話の中に残ったジョブズの連絡先を見せたところ、クックも同時に同じく自分の携帯電話の中のジョブズの連絡先をラセターに見せたという。
この書籍の中では、以前日本でも報道されたように、クックがかつてジョブズの肝臓移植のためのドナーになろうとしたところをジョブズに拒否されたことも描写されている。
今でもジョブズと親しかった人はジョブズを懐かしんでいる
この書籍で主に紹介されているのはジョブズと最も親しい関係の人たち、ラセターによればまるで小さなサークルのようだったところから語られたことばかりだ。ラセターはこうも語っている。「デザイナーのジョニーやティム、そして私のような、ジョブズが亡くなるまでずっと親しかった人たちは、誰も想像もできないかもしれないけど、とてもジョブズを懐かしく思っているんだ」。
画蛇添足 One More Thing
私も亡くなった父や友人の連絡先を携帯電話から消去することができない。クックやラセターの気持ちは痛いほどわかるつもりだ。
ジョブズと会ったこともない私だが、今でも懐かしんでいるのは間違いない。もしジョブズと会ったことがあって、その連絡先を知っていたとしたら。。あの偉大な人物の連絡先を亡くなったからということでそう簡単に消すわけにはいかないだろう。
皆さんもそうではないだろうか?
しかし早くBecoming Steve Jobsの邦訳版を読んでみたいものだ。日経BP社が出版するらしいので、間違いないものが出てくるとは思われるが。。
記事は以上。
(記事情報元:Mashable)