イーロン・マスクの夢、火星開発への布石か?テスラが家庭用・商用リチウム電池をリリース予定

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最近テクノロジー業界のニュースの話題はApple(アップル)のEV(コードネーム:”Titan”)と、テスラモーターズのEVの話題で持ちきりだ。しかしテスラのCEO、イーロン・マスク(Elon Musk)のもう1つの重要な話がどうやらそれらに隠れて注目されていないように思える。

テスラの財務報告電話会議のあとに、イーロン・マスクはテスラが家庭用及び商用リチウム電池(バッテリー)をリリースする計画があることを打ち明けたのだ。

テスラモーターズ、家庭用と商用のバッテリーをリリース予定

「私達は近いうちに、テスラの家庭用或いは一種の家庭用或いは商用のコンシューマレベルのバッテリー計画を公表する予定だ。既に全てのデザインを完了しており、すぐに製造に入る予定だ。6ヶ月以内になるだろう。もうすぐ新製品を発表する期日を確定する予定で、それは1ヶ月以内の予定だ。これはすごいぞ、私もとても興奮している」とイーロン・マスクは語った。

Solar_Panel

理論的にいえば、家庭用バッテリーとは、屋根に取り付けたソーラー(太陽光)発電パネルからエネルギーを集め、テスラのバッテリーの中に蓄電するというものになると思われる。しかし太陽光発電の問題は、The Vergeが指摘しているように、”あなたが電気を必要としている時に太陽が出ているとは限らない。しかしあなたが電気を必要としない時に太陽は出ているものだったりする”ということだ。

テスラの総蓄電キャパシティは20年後には全米の22%に

テスラが従来の電力会社に対してどれほどの脅威となるかは、様々な見方がある。モルガン・スタンレーは昨年のレポートで、2028年までに、米国のテスラモーターズの総蓄電キャパシティは2,370億Wにのぼり、米国の総蓄電キャパシティの22%になるといわれ、現在の米国の蓄電量の10倍になると見積もっている。

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しかし実際には、完全に従来の電力ネットワークを全く頼らないということは不可能に近い。太陽光発電企業のSolar CityのCTO、そしてイーロン・マスクの義兄弟にあたるピーター・ライブ(Peter Rive)によれば、従来の電力を全て置き換えることについては「全く興味がない」とのことで、「なぜなら従来の電力会社が構築した電力ネットワークは、非常に効率よく敷設されているからだ」としている。更に、太陽光発電に置き換えることはいくつかの州では違法となることにも触れている。

テスラは既に多くの家庭用バッテリーメーカーと提携

テスラは現在、家庭用バッテリーのメーカーと密接な提携を結んでいる。「この業界は利益率が高く、更に多くの企業が存在する。私達は殆ど全ての企業と打ち合わせをした」とテスラのCTO、ジェービー・ストローベル(JB Straubel)は電話会議で話している。家庭用バッテリーを使えば、余った電力を電力会社に売ることもでき、電気代を節約することも可能となる

前出のSolar CityのライブCTOが描く未来では、家庭用蓄電バッテリーが従来の電力ネットワークによってその利用価値が最大化され、ユーザは更に有効にクリーンな太陽光エネルギーを使うことができ、ひとりひとりの電力消費を抑えることが可能となり、環境にも優しくなっているという。「我々と提携することは、孤軍奮闘するよりももっと多くのことを成し遂げることができる」と自信満々だ。

画蛇添足

テスラモーターズとしては、バッテリーを更に多く作ることで、本業の自動車産業にも役に立つ。そしてバッテリー技術の発展は、今後のイーロン・マスクが夢見てSpaceXで実行に移している火星開発にも欠かせないものになる太陽光発電用のバッテリーはその布石にすぎないということなのかもしれない

いずれにせよ、テスラとイーロン・マスクの動きには今後も注目だ。Appleのテスラ買収話はどうなるかわからないが(個人的にはイーロン・マスクにAppleのCEOになってほしいところではあるが)。

記事は以上。

(出典元:TECH2IPO

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