先週はじめ頃、ラッキーであれば来年のバレンタインデーまでにApple(アップル)のスマートウォッチ”Apple Watch”の販売に間に合うかもしれない、という情報が流れた。
逆にいえば、幸運に恵まれなければ、来年2月にはApple Watchの影さえ見ることもできず、更に販売は遅れるかもしれない、ということだ。
“Apple Watch”の販売が遅れる原因は5つ考えられる。
1. 準備ができていない
9月9日のApple新製品発表イベントで、多くのApple Watchに関するムービーや写真が見られたが、Appleの従業員以外は、本物のデバイスを見た人は非常に少ない。当日メディア用展示エリアにはApple Watchも展示されていたが、まだシステムが完全なものではなく、デモバージョンのシステムが動いているマシンだった。
つまり、そのデモがわざとであろうとそうでなかろうと、Apple Watchはまだまだ準備中で、販売にはまだほど遠いということだ。
2. 大型ホリデーと目白押しのイベントの影響
殆どのアメリカ人が、1月と2月は何をしているか知っているだろうか?
そう、殆どはテレビを見ることに費やすのだ。
2015年の前の数週間で、アメリカ人にとって非常に重要なNFLの後半戦やスーパーボウル、そして大学フットボール後半戦、グラミー賞、オスカー賞、アカデミー賞などイベントが目白押しだ。
Appleはこれらの期間をうまく使ってApple Watchを宣伝する可能性が高い。2007年に初代iPhoneがリリースされたとき、Appleはオスカー賞の中継の時間にiPhoneの広告を出した。この初代iPhoneは6月にリリースされるにもかかわらず、である。つまり、Appleは今年年末の期間にApple Watchをさんざん宣伝をしておいて、製品の販売は延期するという手段をとるかもしれないということだ。
3. サファイアガラスによる制限
Apple Watchの風防にはサファイアガラスが使われることが正式にAppleからも発表された。
しかしZDNetが最近サファイアガラスの構造について言及したように、サファイアガラスは本当のガラスではなく、透明に合成された結晶体だ。
しかもこの材料を製造する過程は非常にゆっくりで難しく特別で、しかも完璧な製造工程が求められるのだ。
Apple(とGT Advanced Technologies)の現在のサファイアの生産量ではとてもiPhoneには間に合わず、Apple Watchでそこが試されることになるだろうが、その過程にも非常に時間がかかるということだ。
4. バッテリー問題
最近のレポートによれば、Apple Watchのバッテリー持続時間は1日かそれ以下だという。
これは多くの人によって受け入れられないものとなるだろう。Appleもそのことについては問題だととらえているようだ。現在の市場でも大多数のスマートウォッチがこの問題を抱えている。例えば、MotorolaのMoto 360なども。
つまり、Appleの新しいスマートウォッチはまずバッテリー持続時間について、何らかの解決を待たなければならないということだ。当然これには急いでも時間がかかるだろう。
5. 発表だけ急かされた可能性も
9月9日のiPhone6の発表の時のあの驚きのなさといったら覚えているだろうか。なぜなら殆ど全ての情報が前もってリークされてしまっていたからだった。iPhone5sも、iPhone5もそんな感じだった。
Appleは相次いでiPhoneで発生したその失敗を防ぐために、まず先にApple Watchを発表し、そしてそれらのリーク情報の価値をなくしてしまおうと考えた可能性がある。どうせ漏れるなら、先に発表してしまえ!漏洩を防ぐことはもうできないと諦めた可能性もある。
つまり、モノ自体は完成していなくても、先に発表だけはしておきたかったわけだ。
画蛇添足:どっちにしろ今のままだったら買いたくないデバイス。販売をずらしてでもいいものを!
発売がいつになろうと、もしApple Watchがあのしょうもないデザインで、9月9日に発表されたあれしきの機能しかなく、しかもバカ高いあの値段だったら。。私個人は絶対買いたいとは思わない。
正直、Apple Watchのよさが一つも見つからない。そもそもまずあれを腕につけて、一体どこに出かけろというのだ。
先を競わずにいいものを作るといったのは、AppleのCEOのティム・クック。Apple Watchに社運がかかっているのであれば、ぜひそこで実行していただきたい。Appleには中途半端なモノをリリースしてほしくない。
記事は以上。