iPod ClassicでSpotifyのストリーミングを聴ける!?魔改造ハックを施した強者が現る

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とある17歳という若さのYouTuberが、iPod Classicを魔改造(ハック)してSpotifyのストリーミングを聴けるようにしたという動画をアップしています。Apple Musicが聴ける、じゃないのがミソですね。。笑

iPod Classic 魔改造 Spotify

この「魔改造」はソフトウェアに留まらないが、ソフトウェアにこそ価値がある

ちなみにこの魔改造は当然のことながらソフトウェアだけの改造には留まりません。この若きYouTuber、Guy Dupontさんは、Raspberry Pi Zero Wの基板や、新たにカラーLCD表示が可能なディスプレイ、またハプティック・モーター(振動モーター)、1,000mAhの充電池をハードウェア的に追加しています。

かつてのiPod Classicは筐体も大きく、現在の技術で小さくなった基板やバッテリーなどを埋め込むには十分なスペースがあるため、上記のハードウェアの一群を追加したことはそれほど驚くに値しないかもしれません。しかしこの魔改造iPod Classic(iPod mod)の本当の価値は、これらのハードウェアの全てをクリックホイールのみでスムーズに操作できるようにしたことにあるといえるでしょう。

iPod Classicがリリースされた頃、その売り文句は「1,000曲をあなたのポケットに」でした。当時はMP3全盛期で、多くの人は自分の持っているCDからリッピングしたMP3をiPodに搭載されたHDDに入れ込んで使っていたのです。しかしあの頃から20年以上経った今では、リッピングからストリーミングの時代に変わりました。Apple Musicは現在、5000万曲ものライブラリに楽曲のストックを抱えています。

DupontさんはPythonを使って新たなUIを構築しました。それによって現在のデジタルオーディオ形式をプレイできるiPodが完成し、Apple Musicと同じように膨大な楽曲数を抱えるSpotify上のストリーミングカタログを検索することもできるようになっています。

そういう意味では、実際には「ソフトウェアに本当の価値がある」といえるのかもしれません。

まさに「テセウスのiPod」

外観は20年前のiPod Classicですが、中身(コア)は最新のもの。

これはまさに「テセウスの船」というパラドックスを思い起こさせます。つまり、同じ外観の船でも中身を構成する主要な部品、例えば甲板や帆やマストなどを全て交換した場合、それは同じ船といえるのだろうか?という命題です。

今回の魔改造も、ロジックボードを含む中身がほぼ全て入れ変わっていて、実質的にはRaspberry Pi Zero Wが動いている端末といえるものになっています。iPodの元の部品で活かされているのはシャーシとクリックホイールくらいなものです。ましてや、聴けるのはApple MusicではなくSpotifyです。これでも、AppleのiPodといえるのでしょうか?その意味ではこの魔改造されたiPodはまさに「テセウスのiPod」といえるのかもしれません。

魔改造後のiPodが果たしてiPodといえるかどうかは別として、このDupontさんの魔改造は称賛に値するのは間違いありません。なぜなら、かつて大ヒットしてAppleの世界的な成功を支えたiPodのデザインが、まだ外観的にも十分通用すること、そしてクリックホイールが非常に偉大な発明であったことを今でも証明してみせてくれているからです。そしてそれらが組み合わせられれば、音楽プレイヤーとしては必要十分であるということがよくわかるからです。

現在現行で販売されているAppleの音楽プレイヤーはiPod Touchのみですが、iPod TouchもiOSが搭載され、さながら少々スペックが落ちて電話ができない(SIMカードが入れられない)iPhoneのような位置づけになっていて、音楽プレイヤーに留まらないものになってしまっています。それに比べて、iPod ClassicやiPod mini、iPod nanoなど一連のMP3プレイヤーで、Appleは本当にミニマムなものを我々に提供してくれていたのだな、ということを思い出させてくれるのです。

上記のiPod modは当然魔改造のため、量産モデルではありませんが、もし実現したらあなたは欲しいと思いますか?私は。。Apple Musicが聴けてAirPods Proとペアリングできるならちょっと欲しいかな、と思います。

記事は以上です。

(記事情報元:Cult of Mac

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