Appleの次世代iPhone 13には、光学式画面内指紋センサーが搭載される?

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The Wall StreetJournalのJoanna Stern氏によると、Appleは次世代iPhone 13に画面内指紋認証技術の開発に取り組んでいるということです。そしてこの指紋認証機能(AppleではTouch IDと呼んでいます)は顔認証のFace IDと共に用いられ、サブの生体認証オプションとして利用されるとみられています。

iPhone 13 Touch ID コンセプトイメージ
iPhone 13のTouch IDコンセプトイメージ

これまで、既にTF International Securities(天風国際証券)のApple関連の著名なアナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)氏や、Apple未発表製品の予測では90%近い精度を誇るBloombergのMark Gurman氏によっても、次世代iPhoneには指紋認証機能が搭載されることは伝えられてきました。

Appleは指紋センサーに光学式を採用か、センサーは大きく分類すると3種類

The Wall StreetJournalのStern氏は、Apple元従業員から、画面内指紋読み取り用のセンサーの種類として、同社は超音波センサーよりも信頼性が高いという光学式センサーを使用する方針だと伝えています。

現在、超音波センサーと光学式センサーという言葉が出てきましたが、指紋読取センサーには3種類の方式があるといわれています。

光学式指紋センサー

光学式指紋センサーの仕組み
光学式指紋センサーの仕組み

光学式センサーは、光を使用して指紋イメージを作成します。既にこの機能は画面内指紋認証を実現しているAndroidスマートフォンで使用されていて、実際に指が置かれたところに指紋イメージが作成されるのですが、一部の光学式センサーでは指紋イメージが2D(2次元)で作成されるため、セキュリティ的にはあまりよくなく、簡単に複製した指紋に騙されてしまうというデメリットがありました。

超音波指紋センサー

ultrasonic-fingerprint-censor

超音波指紋センサーは新しいテクノロジーであり、小さな超音波を使用して指紋の3Dマップを作成しますので、これは光学式の2Dセンサーに比べれば簡単に騙されないより安全なソリューションであり、偽の指紋であることも見破れる上に、指が濡れているときにもうまく機能します。超音波指紋センサーでは皮膚下の血流まで認識することができるのです。ただし、超音波指紋センサー技術は光学式センサーよりもはるかに高価なのがネックです。

ちなみに超音波指紋センサーはあのQualcommが既に開発に成功していて、同社は中国のディスプレイメーカーBOE(京東方)と共に超音波指紋センサー内蔵ディスプレイの開発にも取り組んでいます。

静電容量式指紋センサー

静電容量式指紋センサーの仕組み
静電容量式指紋センサーの仕組み

ちなみにAppleがこれまでiPhoneやiPadやMacなどで使用している従来の指紋認証技術Touch IDで使用されているセンサーは、静電容量式です。この静電容量式指紋センサーでは、多くのコンデンサによって指紋イメージが作成されるため、簡単には騙されない指紋データを作成可能です。

iPhone SE Touch ID

Appleが開発しているのはハイブリッドセンサー!?

Stern氏は、新しいiPhoneにおいても現行のTouch IDがセキュリティの必要最低要求条件とされているため、もし光学式センサーになってもセキュリティ的にTouch IDより劣ることはないとしています。

ということは、今回次世代iPhone 13で搭載が検討され開発されている指紋センサーは恐らく光学式+静電容量式のハイブリッドセンサーなのではないかとみられます。光学式センサーの指紋認証の速さと、静電容量式のハイセキュリティのメリットを両方活かせるいいとこ取りのセンサーということになりそうです。それでいて超音波指紋センサーよりも安価にできるのであれば、Appleにとってもより利益が出るということになりそうです(iPhoneの価格が下がることは考えにくいため、コストダウンが直接消費者に還元されることはまずないのですが)。

Appleは超音波指紋センサーを使用するという情報も

Stern氏はAppleは光学技術に取り組んでいるとしていますが、前出のApple関連の著名アナリストMing-Chi Kuoは、Appleは超音波技術を使用すると予測しています。Kuo氏の情報筋はサプライチェーンで、GISが「大面積センシング超音波技術」をAppleに提供し、そしてQualcommが超音波モジュールとラミネーションを提供するとしています。こちらの方がより具体的ではあります。更に、超音波指紋センサーを使えば血流なども測定できるので、指紋認証だけではなくヘルスケアにも機能を活かせる可能性もあるのです。

ただし超音波指紋センサーは高価なので、もし本当に超音波指紋センサーが採用された場合は、2021年のiPhone 13シリーズ全てに搭載されるのではなく、現在のiPhone 12のラインナップでいえばProシリーズのみに適用される可能性もあるといえます。

更にAppleは、ディスプレイ内で機能する「音響式」TouchID機能の特許も取得しています。これが次世代iPhone 13に適用されるかどうかについては不明ではありますが。

iPhoneへのTouch IDの搭載は望まれている機能、既に遅きに失した感も

実際、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの状況にあっては、世界的にマスクをする人が増えてきており、Face IDだけでは認証が不便で、Touch ID機能の回帰がiPhoneには望まれていました。正直今年秋以降に発売されるiPhone 13に搭載では遅いくらいです(iPhone 12に搭載されていたら大歓迎されていたことでしょう)。

Appleは昨年発売されたiPad Air 4でスリープボタン(電源ボタン)にTouch IDを搭載しました。正直、iPhoneにも同じものをつければいいのではないかと思ったりもします。なぜiPhone 12で実現しなかったのか、とても不思議です。iPhoneのスリープボタンは以前よりも長さが増していて、十分Touch IDセンサーを取り付ける面積は稼げると思われます。別にユーザとしてはスリープボタンでの指紋認証ができれば十分で、特に画面内で指紋認証に拘る必要はないのではないかと個人的には思います。

皆様はどう思われますか?

記事は以上です。

(記事情報元:The Wall StreetJournal via MacRumors

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