ブルームバーグの報道によると、コンピュータにウイルスが侵入したのが原因で、Apple iPhoneのSoC(メインプロセッサ)サプライヤーのTaiwan Semiconductor Manufacturing Company(以下TSMC)が一昨日、製造を停止せざるを得なくなったということです。TSMCは今年の新型iPhoneのための次世代A12チップの生産量を増やしていただけに、新型iPhoneの製造や組立スケジュールに悪影響を与えることが心配されています。
TSMCは、工場の製造ツールが既にウイルスに感染したことを発表しました。ウイルスは既にコントロールされていて、一部の製造作業は復旧しているものの、同社のいくつかの工場は2日経たないと操業を開始できない状況になったようです。TSMCは更に、この事件はハッカーによる攻撃ではないとしていますが、誰がこの責任を取るのかについてはわからないとしています。TSMCの何麗梅(Lora Ho)CFOは、ブルームバーグによる電話取材で、TSMCがウイルスによる攻撃を受けたのは初めてではないとしながらも、この種の攻撃によって生産ラインが止まってしまったのは初めてだとしています。
ただ、何麗梅CFOは今回の製造停止による具体的な影響、特にiPhoneのチップの製造について、また収入に関する影響については詳細の説明をしたくないようです。4月頃にはTSMCは7nmプロセスのA12チップを製造開始していて、このチップは今年秋(来月)リリース発表されるとみられる3機種の次世代iPhoneに使用されるものと思われます。
Appleとしては販売開始時期が遅くなるのはできれば避けたいところでしょう。ただ、今年のA12チップもTSMCが独占受注しているため、もしメインチップの製造が止まると製造全体に影響があるのは必至です。Appleはこのようなリスクを避けるため、やはり来年以降は複数社からの購買を検討するかもしれません。
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(記事情報元:9to5Mac)