大逆転!?Appleを訴えた特許ゴロの所有4特許が無効化

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シリコンバレーのトップ企業たちにとって、VirnetXという企業名は非常になじみ深いものだろう。もちろんその”なじみ”は同社が人々の尊敬を集めているからではなく、まるで吸血鬼のように人のお金を吸い取っていることによる。そして事実、VirnetXはこれまで幾度となく法廷上での争いで、シリコンバレーのトップの大企業を複数打ち負かしてきた。

特許ゴロのVirnetX、マイクロソフト等から賠償金をせしめる、Appleもその矛先に

例えば、VirnetXはとある特許においてマイクロソフト(Microsoft)を起訴して敗訴させ、2億ドル(約200億円)もの賠償金を手に入れている。そして同じ特許についてVirnetXはAppleをも訴え、そしてAppleは裁判所によって確かにその権利を侵害しているとの判決を下されてしまっていたのだ。

virnetx_logo

VirnetXの4つの特許がUSTPOによって無効判定、逆転裁判か

しかし、Appleの弛まぬ闘争により、この裁判は逆転の局面を迎えている。ブルームバーグの報道によれば、米国特許商標庁(USTPO)が先日、VirnetXがAppleを訴えた特許そのものが無効であるとしたというのだ。つまり、今後の法廷での争いの中で、VirnetXはその特許(全4つ)について、証拠として提供できなくなってしまったのだ。この場合、VirnetXはどんな新しい手を使ってくるだろうか?

 

VirnetXとAppleの特許裁判の流れ

過去を振り返ると、6年前の2010年、スティーブ・ジョブズの生前にVirnetXは既にAppleを起訴していた。その理由は、FaceTimeの中のVPN機能が特許を侵害している疑いがある、というものだった。そして2012年末に米国の地方裁判所はこの訴訟に初歩的な判決を示し、AppleがVirnetXが所有する特許を侵害しているという罪名が成立するとし、AppleにVirnetXに対して3.68億ドルを支払うべきだとした。Appleはそれに対し不服を示し、控訴を行った。しかし裁判所は度重なる審査においてAppleの反対を無効とし、賠償を当初の判決通りに実行すべきとしたのだった。

Appleは最終的に最高裁判所に控訴し、またそこで再審をする資格を得た。そしてこの裁判の結果が出る前に、VirnetXの特許が失効したことは、Appleにとっては喜ばしいニュースであることは間違いない。

 

画蛇添足 One more thing…

今回VirnetXの特許がUSTPOによって無効判定されたのは、恐らく背後にAppleからのロビーイングなどの働きかけがあったのではないかと推測される。Appleは直接裁判で争うよりも、横からうまく回避した形になるわけだ。

いずれにせよ、VirnetXは取得した特許を自社製品には一切活用せず、裁判によって得た金だけで生き残るという所謂特許ゴロ(パテント・トロール、Patent Troll)だった。今回の特許無効判定で、VirnetXがこれ以上Appleに対する法廷での争いを続けるかどうか、注目が集まる。

これらの特許裁判は当然Appleにとってはコストになることで、最終的にはそれは製品コストに反映され、消費者が負担することになる。Appleユーザにとっては、できればAppleに関する特許裁判は少ない方がいいに決まっているのだが。。

記事は以上。

(記事情報元:Patently Apple

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