かつてのiPodの父、Apple幹部だったトニー・ファデルのような人物でも、人事をうまく操るのは難しいのかもしれない。。
かつてAppleの幹部で、現在はNestのCEOだったトニー・ファデル(Tony Fadell)が、本日ブログ上にてNestのCEOを辞職し、アルファベット(Alphabet、グーグルの持ち株会社)のラリー・ペイジよろしく”顧問”という役職となる、と書いたことが話題になっている。なお、Nest社も公式にトニー・ファデルのCEO辞任について伝えている。しかも、すぐにだ。
最近の報道ではNest社内で混乱が発生したと伝えられており、ファデルは自らとNestをうまく友好な状態のまま”別れたい”としていた。そして引き継ぎの作業を昨年末から開始しており、彼は後任のCEOの人選としてMarwan Fawaz氏を指名している。このFawaz氏はMotorola HomeのCEOでMotorola Mobilityの上級副社長、その前はケーブルテレビの会社CharterのCTOだった人で、CEOの任期は2年だという。
Nest(Nest Labs)社は2010年にトニー・ファデルとマット・ロジャースによって設立され、2014年にグーグル(Google)によって30億ドルの価格で買収された。それ以前はファデルはAppleで仕事しており、彼はiPodの概念と最初のデザインを作り出したことから、”iPodの父”として知られている。ファデルは2006年にiPod担当の上級副社長(ヴァイス・プレジデント)に登り詰めたが、2008年にはAppleを離れている。
トニー・ファデルはスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)とも関係がよかったことが知られ、ジョブズの死後にジョブズとのエピソードをメディアに語ることでも有名だった。当ブログでも紹介している。
ここ数ヶ月、Nestの従業員はファデルによる管理によって、販売目標が達成できず、また将来的な製品のアップデートを”おじゃんにされた”と不満を漏らしていた。どうやらAppleで上級副社長、その後グーグルに高額買収されるような会社を起業するような人物にとっても、人事については一生をかけて身に付けなくてはいけないスキルのようだ。
顧問という身分になって、ファデルはNestでどんな作用を発揮するのだろう?
記事は以上。
(記事情報元:Patently Apple、MacRumors)