当ブログでも以前お伝えしたとおり、iPhone 6s/6s Plusのメインプロセッサ、A9チップにはメーカーのTSMC(台湾)とSAMSUNG(韓国)によって2種類のものが存在する。TSMC版は16nm FinFETプロセス、SAMSUNG版は14nm FinFETプロセスが採用されており、また面積もTSMCの方が少々大きい。
そしてこれまでの多くのレポートで、SAMSUNG製のA9チップの方が高負荷状態の運用状況下での省エネ性能(電力消費性能)において、TSMC製よりも劣っていることがわかっている。つまりSAMSUNG製のA9チップが搭載されていると”ハズレ”という印象を与えてしまうのだ。
さてiPhone 6s/6s PlusのA9チップのメーカー判別のツールは現在大きく分けて2種類あるが、そのうちのApp Storeでダウンロードするタイプではない方のCPU Identifierというツールで、各国での2種類のA9チップのシェアを掲載している。
それによると、なぜか台湾で販売されているiPhone 6s/6s Plusのみトータル・iPhone 6s・iPhone 6s Plusの3項目全てでSAMSUNG製が圧倒的に多く、このハズレをひかされた台湾の人達からは不満が続出しているという。
台湾のiPhone 6s/6s PlusのA9チップのシェア
台湾版iPhone 6s/6s PlusのA9チップ、トータルシェア
SAMSUNGが79.62%もある。約8割がハズレのSAMSUNGだ。
台湾版iPhone 6sのA9チップのシェア
iPhone 6sはややSAMSUNGチップのシェアは低めで68.96%。約70%近くだ。それでも相当多い。
台湾版iPhone 6sのA9チップのシェア
iPhone 6s Plusに至っては94.16%がSAMSUNG製という結果に。
ちなみに、容量別でもTSMCとSAMSUNG製のA9チップのシェアに差があることもわかっている。では今回の台湾の結果では、SAMSUNGシェア最大と最小のみお伝えしたい。
台湾のSAMSUNGシェア最小はiPhone 6s 128GBモデル
iPhone 6s 128GBはTSMCとSAMSUNGが半々という感じになった。
台湾のSAMSUNGシェア最大はiPhone 6s Plus 16GBモデル
iPhone 6s Plus 16GBがSAMSUNGのシェアが96.3%に達しており、TSMC製を買えた人は奇跡に近い比率だ。
というわけで、台湾版iPhone 6s/6s PlusはSAMSUNG版が圧倒的に多く、ババを引かされたというような思いは理解できなくもない。
iPhone 6s/6s PlusのA9チップ、日本のシェア
では日本版はどうなのだろう?容量別の統計はまだ出ていないが、トータルのものは出ていないのでみてみよう。
日本版iPhone 6s/6s PlusのA9チップ、トータルシェア
トータルではTSMCが少々多い程度でほぼ拮抗しているといえる。
日本版iPhone 6sのA9チップのシェア
日本版iPhone 6sでは、SAMSUNGがわずかに多い結果となった。
日本版iPhone 6s PlusのA9チップのシェア
日本版iPhone 6s PlusはTSMCが少し多いという結果になった。
とはいえ日本版はほぼ半々だということがいえるだろう。iPhone 6s/6s Plusをお持ちの方で、興味のある方はiPhone 6s/6s PlusのSafariでCPU Identifierにアクセスし、Installして調べてみよう(設定>一般>プロファイルでShenzhen…を信頼してから起動すること)。
また、上記のリンクから、この記事に書いたような詳細なシェア率を見ることができる。
記事更新時点で調べられるのは、全世界、アメリカ、中国、台湾、日本、香港、ドイツ&オランダ、イギリスのiPhone 6s/6s Plusとなっている。最もアタリ率が高いのはどうやらイギリスのようで、ほぼ70%がTSMC製だ。ここまで国によって異なると、余計Appleの”チップゲート(Chipgate)”事件として目立つような気もするが。。
ただし、2種類のA9チップは通常使用の範囲内ではその性能差や省エネ性能は体感できないものであるといわれているので、気にしすぎない方がいいだろう。Appleも多くの実験を繰り返し、厳しい条件をクリアしたものだけを採用しているからだ。※ただ、SAMSUNG版はTSMC版よりも発熱が激しく、それによって電力消費が大きくなるという情報もある。
記事は以上。