Appleは2012年にiPhone 5をリリースし、その際に初めて4G(LTE)LTEを正式にサポートし始めた。しかし当時のスマホの同業他社に比べると、その導入は遅かったと言わざるを得ない。当時既に他のメーカーは4G対応端末を大量にリリースしていたからだ。
さて時代は過ぎ去り、そろそろ次世代通信の5Gの導入について関心が寄せられる時期となった。現在はキャリアやハードウェア的な原因でまだ5Gをサポートする市販のスマートフォンは存在しないが、Appleは今回の5Gでは他社に先駆けてサポートするだろうか?
現在はクアルコム(Qualcomm)とインテル(Intel)の2社がiPhoneのベースバンドモデムチップのサプライヤーとなっているが、この2社とも今年2017年には5Gのモデムチップのサンプルを完成させ、来年2018年には商用として量産し、正式に出荷したいと考えているようだ。
新しいインテルの5Gモデムチップは、周波数が比較的高い28GHz帯(アメリカと韓国がテストしている周波数帯)でのデータ転送も可能で、また比較的低い3.3GHz帯(ヨーロッパや中国がテストしている周波数帯)でのデータ伝送も対応可能だ。
それに対し、クアルコムのSnapdragon X50 5Gモデムチップは、28GHzのミリ波(mmWave)でのデータ伝送に対応している。また複数の電波のインプットとアウトプットに対応したMIMOアンテナテクノロジーを採用、NLOS環境下でも安定した持続的なモバイルブロードバンド通信を実現可能だ。800MHz帯をサポートすることで、最大毎秒5Gbpsのダウンロード速度を出すことができるという。
もしAppleが来年2018年のiPhoneで5G規格をサポートした場合、クアルコムにとってもインテルにとってもこれは非常に重要なチャンスとなる。今年クアルコムは特許費用の件でAppleと法廷で争っており、今後iPhoneのベースバンドモデムチップはインテルに一本化される可能性もなくはない。インテルにとっては大変な追い風になる可能性がある。
ただ、5Gの導入は世界的にもキャリアの動向とは切っても切れない関係にあるため、端末だけ対応しても実際には使えないという期間がしばらく発生する可能性もある。
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(記事情報元: weiphone)