CNBCの報道によると、アメリカ合衆国の元副大統領で、Apple社の取締役メンバーでもあるアル・ゴア(Al Gore)氏が、自らが所有するAppleの株式を、一株あたり単価136.72ドルで、21万5,437株を売却したという。これによってゴア氏は約2,940万米ドル(約33億円)の現金をゲットしたことになる。
アル・ゴア氏、手持ちの約半分のApple株を売却
なお、今回の株式売却によってゴア氏の手元にはあと23万137株が残ったことになるが、それはつまりゴア氏が今回手持ちの約半分のApple株を手放したことを意味する。
権利を行使して安く買った7万株も売却
今月頭にゴア氏は権利を行使してApple株を13ドルという単価で7万株購入したため、それによってゴア氏はたったの1ヶ月で軽々と800万ドル(約9億円)をゲットしたことになる。つまり、ゴア氏は今月全部で3,750万ドル(約42億円)のApple株を売ったことになるのだ。
以前にも3000万ドル相当の株を売却して注目を集める
ゴア氏は2003年にAppleの取締役のメンバーとなり、定期にストックオプションをもらうことになった。ゴア氏はかつて3000万ドル相当のApple株を売却したことでメディアの注目を集めたことがあったが、今月ゴア氏はそれを超える規模のApple株を売却したことになる。
アル・ゴア氏はApple取締役続投を希望
来週Appleでは取締役会が開かれる予定だが、ゴア氏はAppleの取締役を続けることを希望しているという。なお、Apple社は今回の取締役メンバーによる大量株式売却について何らコメントを出していない。
インターネットやナノテクの普及に貢献、ノーベル平和賞も受賞しているゴア氏
アル・ゴア氏は1948年にワシントンD.C.で生まれ、1993年〜2001年にアメリカ合衆国副大統領に就任し、2007年には地球温暖化に注目するなど環境啓蒙活動が認められてノーベル平和賞を受賞。彼が企画した情報スーパーハイウェイ構想が、インターネットの爆発的な普及に繋がったことは有名で、またナノテクノロジーへの資金援助によって世界的にナノテクが注目を集めることとなった。米国大統領選にたびたび名前があがったが、辞退している。
画蛇添足 One more thing…
Apple株はアメリカ株の情報に乗じてか、その株価の最高値を更新し続けている。ただウォールストリートのアナリストからはAppleの株価は過大評価され、特に次世代iPhoneに対して過大な期待を寄せられすぎているとみる向きもある。
ゴア元副大統領が手持ちの半分の株を手放したことで、Appleの株価はここに今回のピークを迎えたと捉えてもいいのかもしれない。ゴア氏はインサイダー取引をしようと思えばできる立場にいるからだ(もちろん慎重に行動するとは思うが)。
記事は以上。
(記事情報元:CNBC)