『フォーチュン』誌のネット版の報道によると、Appleの共同創業者のスティーブ・ウォズニアック(Steve Woziniak、以下ウォズ)がCNBCの取材を受けた際に、アマゾン(Amazon)の人工知能スピーカーでパーソナル/ファミリーアシスタント機能も持つ【Echo】が「近い将来次の大型プラットフォームになる」と語っていることがわかった。
Amazon Echoの紹介は、週刊アスキーが詳しい。これは未来だ!
ウォズは、「私は口で言葉にして出すのが好きなんです。なぜなら、ものをどこに置いたかとかどうやってある物事をやるのかということを頭に記憶しておくのが嫌いだからです。私は頭の中でアイデアを思いついたら、すぐ口に出してしまうのです」と語っている。ウォズは更に、毎日30個ものスマートフォン(もちろんiPhoneだろう)のアプリを使うという。
問題は、なぜウォズはあのAppleのSiriを華麗にスルーしたのだろうか?ということだ。ウォズはインタビューの中で、全く一度もSiriやそれに似たサービスを挙げず、その褒め言葉を全てアマゾンのEchoに向けたのだ。ウォズはEchoによって実現できる一通りのサービスについて列挙した。Uberでタクシーを呼んだり、トイレットペーパーを買ったり、ピザを注文したり、などだ(さすが、グルメだ)。
ウォズや一般ユーザにとって、Echoが人々を惹きつけるのは、多くの場合Siriやその他のボイスアシスタントサービスとは違うサービスだからだ。Siriはスマートフォンやタブレットデバイスに入っていて、メールやSMS、そして検索機能のヴォイスによる拡張版というようなイメージがある。しかしその役割は忙しい一日の生活の中では1つの道具にすぎない。また外にいるときには、Siriは容易に周囲の雑音の影響を受け、指示をちゃんと聞き取れなかったり、酷いときには誤った聞き取り方をしたりする。
それに比べてアマゾンのEchoはホーム型デバイスで、その環境としてはよりしっかりと聞き取ってくれる。Echoによって多くの実用的なことが実現できるが、それでいて音楽を奏でるリラックスできるデバイスでもあり、そして仕事のための道具でもない。Echoはお客さんが少ない音楽家なのかもしれない。ウォズが言っているように、Echoを使っていると、自由を享受している感覚になるのかもしれない。
画蛇添足 One more thing…
一見単なるBluetoothスピーカーのように見えて、実はAmazonのサービスと直結しているという面白いデバイス【Echo】。一種のIoTの進化形なのだろう。
ウォズが手放しで絶賛するほどなので、確かにかなり未来型のデバイスなのだろうが、まだ日本では販売されていない。アメリカでは180ドルで販売されている。2万円以上するデバイス、安いとみるか、高いとみるかはあなた次第だ。
ちなみに中国最大のショッピングサイト、Taobaoで”Amazon Echo”で検索するとわんさか出てくる。中国でも評判なのだろうか?
Echoの電源アダプターだけは日本で売っている。なくした方に。。
さて、ウォズがここまで絶賛するのであればAppleも黙っていられないだろう。AppleもIoTやスマート家電の標準プラットフォームの座を虎視眈々と狙っている。今後どのように対抗してくるか、楽しみである。
記事は以上。
(記事情報元:Fortune Online)