iPhone 14シリーズ中国/香港版物理デュアルSIM状況まとめ【たぶんどこよりも詳しい】

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2021年9月8日未明から公開されたApple新製品発表イベント動画で発表された、新型iPhone「iPhone 14」シリーズ。Appleのイベント動画や公式サイト、更に多くの他のメディアでスペックなどは紹介されていると思うので、当ブログの読者層が最も気にしていると思われるiPhone 14シリーズ4機種(iPhone 14/iPhone 14 Plus/iPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Max)のデュアルSIM/トリプルSIMの状況を確認してみました。

なお、iPhone XS/XS Max/XR時代から、iPhoneで物理デュアルSIM版(DSDS版)が出ているのは世界広しといえども中国・香港版・マカオ版のみです。現在私が使っているのもiPhone 12 Pro Max 中国大陸版物理デュアルSIM版(DSDS版)のため、当ブログならではのiPhone 2022年新モデル「iPhone 14」シリーズの中国・香港版DSDS対応特集をします。恐らく、他のどこよりも詳しいのではないかと思います。少々長くなりますが、お付き合いください。

iPhone 14シリーズの物理デュアルSIM対応版とは

まず、物理デュアルSIMが実現するのは今回発表されたiPhone 14シリーズ全4機種全てとなります。iPhoneの歴史として、物理デュアルSIMには2018年モデルのiPhone XS Max/iPhone XR、及び2019年モデルのiPhone 11 Pro、2020年のiPhone 12シリーズ(iPhone 12 mini以外)以来、2021年のiPhone 13シリーズ(iPhone 13 mini以外)に引き続き対応したことになります。

そしてiPhone 14の物理デュアルSIM版について、対応国は「中国」とされています。ただ、単に「中国」といっても意味は広く、例えば字面通りであれば中華人民共和国と中華民国(台湾)の2つの意味があります。

また、中華人民共和国にも、特別行政区として香港とマカオがあり、iPhoneの広い意味での「中国版」には。。

  • 中国(大陸・内地)版
  • 香港版
  • マカオ版
  • 台湾版

の4つのバージョンがあるといえます。もちろん公式ページも、その4つにわかれています。

今回物理デュアルSIMが実現するのは、中国(大陸・内地)版及び香港・マカオ版のみです。つまり、台湾版は物理デュアルSIM適用外となります。ちなみに香港版とマカオ版はモデル番号の末尾が異なるだけで、内容は同じなので以降マカオ版は割愛させていただきます。

中国大陸版/香港(&マカオ)版/日本版のSIMカード対応状況一覧表

中国大陸版/香港(&マカオ)版/日本版の、iPhone 14/iPhone 14 Plus/iPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro MaxのデュアルSIMデュアル待受のスペックは、Apple公式サイトのそれぞれの仕様ページの情報を整理をすると、以下の一覧表の通りとなります。

機種名 中国大陸版 香港版(マカオ版も同様) 日本・台湾版
iPhone 14 物理DSDS 物理DSDS トリプルSIM(物理SIM+eSIMx2)
iPhone 14 Plus 物理DSDS 物理DSDS トリプルSIM(物理SIM+eSIMx2)
iPhone 14 Pro 物理DSDS 物理DSDS トリプルSIM(物理SIM+eSIMx2)
iPhone 14 Pro Max 物理DSDS 物理DSDS トリプルSIM(物理SIM+eSIMx2)

香港版は大陸版より安いが、以前よりも大陸では入手困難に。違いは?

中国の増値税(付加価値税、VAT)が乗らない香港版は価格が安く、中国大陸では深圳経由で密輸される香港版が人気だったのですが、現在は2020年から引き続き新型コロナウイルス感染症の影響で、香港と中国大陸間の人の動きが極端に制限されているため、これまでいわゆる「水客」と呼ばれていた密輸運び人による密輸品は少なくなります。手に入らないことはないですが、少し割高になります。iPhone 13シリーズの香港版が大陸版と決定的に違う点は、FaceTime Audioが使えることです(中国大陸版はキャリアとの兼ね合いか、FaceTime Audioがオフになっています)。

SIMフリー

そして中国大陸版及び香港(&マカオ版)は基本的にSIMフリーです。つまり、他国に持ち出しても、他国のどのSIMでも基本的には使えることになります(ただ、最近は新型コロナウイルス感染症の影響で国際間の移動は難しいですが)。また、日本版のキャリア版も総務省の指導により、昨年2021年10月1日からSIMロックをかけてはいけないという法令の下、SIMフリーとなっています。

5G対応の違い

今回のiPhone 14シリーズでも、iPhone 12/iPhone 13シリーズと同様、5Gでは米国版のみmmWave(ミリ波、5G NR mmWave)5G対応で、他の国のバージョンは対応していません(Sub-6 5Gのみ)。ただ、その他の国でmmWave 5Gサービスが始まったとしても、米国のmmWave対応モデルが使えるかどうかは不明です。なお、iPhone 14シリーズ全てで米国版は物理SIMを廃止しました。そこが大きな違いですね。米国版iPhone 14シリーズは、キャリアがeSIMに対応していない中国では使い物にならないということになりました。

iPhone 14シリーズの無線通信仕様、対応バンドの違い

iPhone 14シリーズ中国大陸版・香港版・日本版の無線通信仕様全体を比べてみると、日本版が最も対応バンドが多くなります。日本版の方で、中国大陸版と香港版には書いていないバンドや仕様があるのでそれを赤い字にしておきます。

具体的には5Gのバンドn14、n29、n53、n71。FDD-LTEはバンド11、21、29、71。TD-LTEはバンド53が日本版が多くサポートしているバンドです。

これらはキャリアの対応状況、というよりもそれぞれの国・地域における電波法による対応と思われます。ただ、同じQualcommのベースバンドチップを使用しているはずですので、ソフトウェア的にオフにしているだけと思われます。その他の対応バンド等の仕様の差はありません。例外的にFeliCaは日本のみ表記がありますが、中国大陸版と香港版には表記がありません。ただ、私の中国大陸版iPhone 12 Pro Maxを、日本でFeliCaを使用したSuiCaやPasmoなどで使っていましたが全く問題なく使えているので、中国大陸版も香港版も、表記がないだけでFeliCaを問題なく利用可能です。

なお、下の引用はiPhone 14 Proシリーズのものですが、iPhone 14無印シリーズも同様です。

【日本版 iPhone 14 Proシリーズ 通信仕様】

モデルA2889

  • 5G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n14、n20、n25、n26、n28、n29、n30、n38、n40、n41、n48、n53、n66、n70、n71、n77、n78、n79)
  • FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71
  • TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48、53
  • UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)
  • GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)

モデルA2893

  • 5G NR(バンドn1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n14、n20、n25、n26、n28、n29、n30、n38、n40、n41、n48、n53、n66、n70、n71、n77、n78、n79)
  • FDD-LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、32、66、71
  • TD-LTE(バンド34、38、39、40、41、42、46、48、53
  • UMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)
  • GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)

全モデル

  • 4×4 MIMO対応5G(sub-6 GHz)
  • 4×4 MIMOとLAA対応ギガビットLTE
  • 2×2 MIMO対応Wi‑Fi 6(802.11ax)
  • Bluetooth 5.3
  • 空間認識のための超広帯域チップ
  • リーダーモード対応NFC
  • 予備電力機能付きエクスプレスカード
  • FeliCa

【中国大陸版】

A2892 型号

  • 5G NR (频段 n1, n2, n3, n5, n7, n8, n12, n20, n25, n26, n28, n30, n38, n40, n41, n48, n66, n70, n77, n78, n79)
  • FDD-LTE (频段 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 13, 17, 18, 19, 20, 25, 26, 28, 30, 32, 66)
  • TD-LTE (频段 34, 38, 39, 40, 41, 42, 46, 48)
  • UMTS/HSPA+/DC-HSDPA (850, 900, 1700/2100, 1900, 2100 MHz)
  • GSM/EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz)

A2896 型号

  • 5G NR (频段 n1, n2, n3, n5, n7, n8, n12, n20, n25, n26, n28, n30, n38, n40, n41, n48, n66, n70, n77, n78, n79)
  • FDD-LTE (频段 1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 13, 17, 18, 19, 20, 25, 26, 28, 30, 32, 66)
  • TD-LTE (频段 34, 38, 39, 40, 41, 42, 46, 48)
  • UMTS/HSPA+/DC-HSDPA (850, 900, 1700/2100, 1900, 2100 MHz)
  • GSM/EDGE (850, 900, 1800, 1900 MHz)

所有机型

  • 5G (sub-6 GHz),具备 4×4 MIMO 技术
  • 千兆 LTE,具备 4×4 MIMO 和 LAA 技术
  • 802.11ax 无线局域网,具备 2×2 MIMO 技术
  • 蓝牙 5.3
  • 可用于空间感知的超宽带技术芯片
  • 支持读卡器模式的 NFC
  • 可通过备用电量使用的快捷交通卡功能

【香港版】

型號 A2892

  • 5G NR (頻段 n1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n26、n28、n30、n38、n40、n41、n48、n66、n70、n77、n78、n79)
  • FDD-LTE (頻段 1、2、3、4、5、7、8、12、13、17、18、19、20、25、26、28、30、32、66)
  • TD-LTE (頻段 34、38、39、40、41、42、46、48)
  • UMTS/HSPA+/DC-HSDPA (850、900、1700/2100、1900、2100 MHz)
  • GSM/EDGE (850、900、1800、1900 MHz)

型號 A2896

  • 5G NR (頻段 n1、n2、n3、n5、n7、n8、n12、n20、n25、n26、n28、n30、n38、n40、n41、n48、n66、n70、n77、n78、n79)
  • FDD-LTE (頻段 1、2、3、4、5、7、8、12、13、17、18、19、20、25、26、28、30、32、66)
  • TD-LTE (頻段 34、38、39、40、41、42、46、48)
  • UMTS/HSPA+/DC-HSDPA (850、900、1700/2100、1900、2100 MHz)
  • GSM/EDGE (850、900、1800、1900 MHz)

所有型號

  • 5G (sub-6 GHz),採用 4×4 MIMO 技術
  • Gigabit LTE,採用 4×4 MIMO 及 LAA 技術
  • Wi‑Fi 6 (802.11ax),採用 2×2 MIMO 技術
  • 藍牙 5.3
  • 超寬頻晶片用於空間感應
  • NFC 配備讀取模式
  • 特快卡,可使用備用電量

中国でのiPhone 14シリーズの発売時期について

iPhone 14シリーズは中国大陸版は香港版とiPhone 13シリーズと同様、新型コロナウイルスの影響を受けることなく、他国と同様9月9日予約開始、9月16日発売開始となっています(iPhone 14 Plusのみ10月7日発売開始と出遅れる予定です)。

ただし!中国大陸版は例年通り、「所有机型将在获得批准后发售(全機種認可が下り次第発売)」という赤い文字での注意書きがされていることに要注意です。もしかしたら発売日が延びる可能性もゼロではありません。

iPhone 14シリーズの物理デュアルSIMの仕様情報、SIMは2枚とも5G対応

物理デュアルSIMはiPhone 12 Pro Maxで自分も使っていますが、2枚とも5G対応です。iPhone 13シリーズもそうだったので、iPhone 14に関しても同様と思われます。eSIMに関しても同様と思われますが、日本版は2枚のeSIMも合わせてトリプルSIMで全て5G対応かについては実機での実証がないとわかりません。が、恐らく可能になっているのではないかと思われます。

実際の物理DSDSの設定、使用方法

実際のiPhone物理デュアルSIMの使用状況や設定方法などは、ちょっと古いのですが、以前iPhone XSの時代に以下の記事にまとめました。当時とそれほど変わっていないので、ご参照ください。

気になるiPhone 14シリーズの中国版・香港版のお値段は?

そしてやはり気になるのはiPhone 14/iPhone 14 Plus/iPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Maxの日本/中国大陸/香港版物理デュアルSIM版の価格ですよね。

物理デュアルSIMに対応したiPhone 14/iPhone 14 Plus/iPhone 14 Pro/iPhone 14 Pro Maxの価格は公式発表では以下のようになっています。中国大陸版・香港版の価格と、日本版(税込)価格を参考までに併記しておきます。※日本円価格は記事公開時のレートです。

iPhone 14 Pro Max 中国(大陸)版・香港版・日本版価格

内蔵ストレージ容量 中国大陸版 香港版 日本版(税込)
128GB 8,999元(約185,808円) 9,399HKD(約172,245円) 164,800円
256GB 9,899元(約204,391円) 10,199HKD(約186,860円) 179,800円
512GB 11,699元(約241,557円) 11,899HKD(約217,989円) 209,800円
1TB 13,499元(約278,723円) 13,599HKD(約249,133円) 239,800円

iPhone 14 Pro 中国(大陸)版・香港版・日本版価格

内蔵ストレージ容量 中国大陸版 香港版 日本版(税込)
128GB 7,999元(約165,203円) 8,599HKD(約157,533円) 149,800円
256GB 8,899元(約183,790円) 9,399HKD(約172,189円) 164,800円
512GB 10,699元(約220,966円) 11,999HKD(約219,828円) 194,800円
1TB 12,499元(約258,141円) 12,799HKD(約234,485円) 224,800円

iPhone 14 Plus 中国(大陸)版・香港版・日本版価格

内蔵ストレージ容量 中国大陸版 香港版 日本版(税込)
128GB 6,999元(約144,537円) 7,699HKD(約141,050円) 134,800円
256GB 7,899元(約163,124円) 8,499HKD(約155,706円) 149,800円
512GB 9,699元(約200,296円) 10,199HKD(約186,860円) 179,800円

iPhone 14 中国(大陸)版・香港版・日本版価格

内蔵ストレージ容量 中国大陸版 香港版 日本版(税込)
128GB 5,999元(約123,886円) 6,899HKD(約126,399円) 119,800円
256GB 6,899元(約142,473円) 7,699HKD(約141,056円) 134,800円
512GB 8,699元(約179,646円) 9,399HKD(約172,203円) 164,800円

ちなみに、中国大陸版iPhone 14シリーズは128GBの最低スペックモデルの価格はiPhone 13シリーズと同じにしているものの、256GB以上の内蔵ストレージのモデルについては値上げ幅が大きくなっています。例えば、iPhone 14 シリーズ中国大陸版では、iPhone 13 シリーズ中国大陸版に比べ、256GBは100元、512GBは300元、1TBは600元の値上げ幅となっています。過去のiPhone 13シリーズ及びiPhone 12シリーズの価格について詳細は、過去当ブログで書いた各価格表をご覧ください。

それに比べ、香港版はiPhone 14 Pro Maxは基本的に価格は据え置きになっていますが、iPhone 14 Proは特に高容量モデルが大幅値上げになっているという不思議な現象が発生しています。126GBと256GBモデルは100HKDの値上げですが、512GBモデルと1TBはなんと1,000HKD(約18,000円!!)も値上がっています。iPhone 14無印香港版は全てのモデルが100HKDの値上げとなっていますが、それはそこまで変わらないですね。

記事公開時点で急激な円安が進んでいるため(1米ドル=143.8円、1人民元=20.65円、1香港ドル=18.32円、恐ろしい時代です)、中国大陸版と香港版が今までに増して割高に感じますね。。iPhone 13の時は比較すると香港版が最も安かったのですが、今回は香港版の方が日本版より少々高くなっています。

香港版よりも更に高額な中国大陸版の最高値、iPhone 14 Pro Max 1TBですと28万円で、日本版と4万円も差が付いてしまっています。ただ、日本版自体も円安の影響でiPhone 13シリーズに比べ、全てのモデルで2〜4万円程度の値上げとなっています。それでも全体的に香港版よりも安いので、日本でわざわざ香港版を手に入れるメリットは、物理デュアルSIMとカメラのシャッター音なしくらいのメリットしかないかもしれません。逆に海外在住の方は、日本に一時帰国して免税でiPhoneを買うのが一番安く済む方法かもしれません。

そして、この急激な円安のせいで、もしかしたら今後値上げがあるかもしれません。祖国大丈夫でしょうか。。心配になってしまいます。

今回比較対象にしていませんが、例によって米国版がもちろん一番安いのですが、今回AppleはiPhone 14シリーズの米国版において全て物理SIMトレイを廃止して完全にデュアルeSIMにするという暴挙に出たので(笑)、米国以外で使うのは非現実的と言えるかもしれませんね。

iPhone 14シリーズ 物理デュアルSIM版は買いなのか?

iPhone 14シリーズの中国・香港版の物理デュアルSIM版は本当に必要なの?という議論もあると思います。このブログをご覧になっている方は、海外、特に中国・香港への出張が多かったり、中国・香港や海外に実際にお住まいで、国際間での移動が多い方でしょう。

4年前、2018年のiPhone XS/XS Max/XRで初めてデュアルSIM版がiPhoneに導入された時の発表イベントでは、Appleのフィル・シラーSVP(当時、現在はApple Fellowに昇格)が壇上で、中国ではeSIMが使えないので物理デュアルSIMを導入した、としていましたが、実はこれまでApple Watch Series 3以降に搭載されたeSIMバージョン(セルラーモデル)向けに、三大キャリアのうちの1つChina Unicom(中国聯通、チャイナ・ユニコム)のみがeSIMサービスを提供しています。なお、今回同時に発表されたApple Watch Series 8及びApple Watch SE 2、Apple Watch Ultraでは三大キャリア全てがeSIMを提供することになります。

また、香港では携帯電話向けにキャリアがeSIMを発行しているのでこの発言には矛盾があったと言えます。ちなみにキャリアのこの状況は、その4年前の初めてiPhoneにデュアルSIM版が登場したiPhone XS/XRの時代から変わっていません。携帯電話向けのeSIMは中国大陸で導入されていないのです。理由は不明ですが、管理や規定の問題かもしれません。

しかし実際、物理デュアルSIM版を中国・香港・マカオ以外に居住する方が本当に導入するかは非常に悩ましいところです。なぜなら、日本版は去年のiPhone 13シリーズからeSIMがデュアルとなり、結果的に物理nano-SIMと合わせてトリプルSIMになったからです。

出張レベルであれば、もう現在は国際ローミングが可能なデータSIMも格安で出ていますし、普通のキャリアの国際ローミングも非常に安くなってきています。という意味では、物理SIMは1枚でもいいといえます。もちろん、公私でSIMを複数使い分けている人や、2カ所以上に拠点を持ってそれぞれSIMを持っている人にとっては、やはりデュアルSIMは多少高いお金を出してでも差し替えの手間がかからないので魅力的です。しかも、SIMの差し替えって面倒なんですよね。特に飛行機や船・電車などで国際間移動をしている時に差し替えると、SIMが地面に落ちたり、見つからなくなってしまったり。。実は私もそんな経験があります。それを防ぐためにも物理DSDS版を使うというのはいい選択かもしれません。

もちろん、これは「国際間移動ができる」という前提での話ではありますが。。昨年のiPhone 13リリース時点と違う点は、世界的に新型コロナウイルスによる移動制限が緩くなっていて、中国・香港以外は入国時の隔離が必要なくなっていることですね。その意味では国際間の移動がしやすくなっています。中国大陸も記事公開時点では7日+3日自宅隔離で実質10日の隔離と以前の21日隔離よりは少なくなっていますが、それでも国際間の移動はしにくいといえます。まだ暫くゼロコロナ政策は続きそうですので、中国を拠点にした国際間移動はなかなか厳しそうですね。

なお、蛇足ですが2022年9月8日の発表イベントでの私のTwitterでの適当な中継スレはこちらです。

記事は以上です。

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