AppleはiPhone 14の目玉機能として、携帯キャリアによる電波がなくても、衛星通信による低速の通信が可能になり、緊急SOSを出すことができる機能をリリースしています。そして今回、イタリアの山で救助された2人の観光客が、その恩恵にあずかることになりました。
イタリアのアペニン山脈で2人の観光客がiPhone 14の衛星経由緊急SOS機能で救出される
イタリアのアペニン山脈の中心部にでかけた観光客二人が、携帯電話の電波が届かないところで道に迷ってしまいました。しかし幸運なことに、この2人は衛星通信によるテキストメッセージによって緊急SOSを発することができ、地元の消防署が駆け付けることによって救助されました。
Appleはこの衛星信号による緊急SOS機能をiPhone 14に搭載しましたが、まだ特定の国でしか使えない仕様となっています。今年3月、Appleはこの機能が使える国に、オーストラリア、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、ポルトガル、そして今回の救出劇の舞台となったイタリアの6ヶ国を追加したばかりでした。非常にタイミングがよかったと言わざるを得ませんね。
そしてイタリアの新聞Corriere Della Sera紙によると、これがイタリアで衛星経由の緊急SOS機能が使用された最初の例になる可能性があるということです。
これまでも米国カリフォルニア州でiPhone 14の衛星経由緊急SOS機能で救出された人達がいた
なお、これまで衛星機能による緊急SOSでの救出に関しては、今年2件確認されています。1件は5月、米国カリフォルニア州ベンチュラ郡(そう、macOSの今のバージョン、macOS Ventura 13の名称のもととなった地名)にあるサンタポーラキャニオン(Santa Paula Canyon)にある「ラストチャンス」エリアで道に迷った10人のハイカー達が救助される際に、Appleの衛星通信による緊急SOS機能が重要な役割を果たしています。また6月には同じく米国カリフォルニア州のロサンゼルス郡にあるエンジェルス国有林で登山道が崩れ落ち、足首を負傷したハイカーが、同じくAppleのこの機能によって救助を呼ぶことができています。
iPhone 14の衛星経由緊急SOS機能はまだ日本や中国では使えません。。
Apple公式サイトによると、このiPhone 14及びiPhone 14 Proによる衛星経由の緊急SOSを発信できるのは以下に限られています。残念ながら日本や中国は入っていませんね。。
- iOS 16.1 以降 (米国およびカナダ)
- iOS 16.2 以降 (フランス、ドイツ、アイルランド、英国)
- iOS 16.4 以降 (オーストラリア、オーストリア、ベルギー、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル)
早く日本や中国でも使えるようになってほしいですね。日本だと青木ヶ原とか、中国では膨大な国土の中でもヒマラヤ山脈やその他電波が届かないところでこの機能は活躍しそうですが、中国国内では衛星通信を使うことには非常に規制の壁が高いような気がします。
あ、尖閣諸島なんかだと特に役に立つかも?なんてことを書くと燃えそうなのでこの辺で。。
記事は以上です。
(記事情報元:Apple Insider)