AppleはiPhoneの各機種の売上や販売台数を明らかにしていませんが、多くのマーケティングリサーチ会社がこれまで多くの機種別販売実績の推測を行ってきました。今回、マーケティングリサーチ会社のCIRP(Consumer Intelligence Research Partner)が、終わったばかりの2020年4月〜6月の四半期(2020年第2四半期、以下20Q2)におけるiPhoneの機種ごとの販売シェア率を発表しました。
そのデータによると、20Q2のiPhone販売台数はやはり最新モデルのiPhone 11/11 Pro/11 Pro MaxがiPhoneの売上げの大部分を占め、56%にも達していることがわかります。それに対して、最も最近リリースされたiPhone SE 2(iPhone SE 2020)は、19%というシェア率になっていて、かつての多くの人の「廉価なiPhone SE 2が世界のシェア率を席巻する」という予測は見事に外れ、やはりiPhoneを求める人はハイエンドをもとめがちだということが証明されたといえるかもしれません。
なお、CIRPは昨年2019年の同四半期との比較も載せており、19Q2のデータでは、当時最新だったiPhone XS/XS Max/XRの売上げが65%も占めていました。そしてiPhone 8/7/7 Plusの3機種が残りのシェアを割っていたのです。それに対し、今年の20Q2では、iPhone 8シリーズ/XRという旧機種は、iPhone SE 2によってシェアを奪われた形になります。ちなみにiPhone SE 2がリリースされた時点でiPhone 8は新規では販売されなくなったため、売れなくなったという見方もできますし、iPhone SE 2は最新のプロセッサを搭載しながらiPhone XRの価格を下回っていることから、XRを買う人は殆どいないのが現実的なところかと思われます。
つまり、iPhone SEは古いiPhoneモデルのユーザがアップグレードするための触媒となっているといえるかもしれません。また、iPhone XRという廉価版デバイスに対して抵抗を示したiPhone 5や6レベルの旧機種ユーザも、今回のiPhone SE 2の登場によって買い替えを考えた人が多かったともいえます。
私個人的にはiPhoneの”廉価版”、つまりiPhone 5cやiPhone XR、iPhone 11などを買うことはこれまで一度もありませんでしたが、iPhone SE初代には手を出しました。iPhone 5や5sの筐体に、iPhone 6sと同等(クロックダウンされていはいますが)の性能が備わっているのですから、やはり気になったのです。今でもサブですが現役で使っています。今回のiPhone SE 2も、iPhone 11シリーズと同様、現行最新のA13 Bionicチップを搭載しています。もし私がApple初心者だったらiPhone SE 2を買っていると思います。それだけ、いい性能でいい値段の端末だと思います。ただ、今回コロナ禍で世界的に小売が厳しい状況の中で、AppleもApple Storeの一時期の閉店を余儀なくされるなど少なからぬ影響を受けています。
iPhone SE 2は新興市場での活躍も期待されましたが、インドでも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が広まっています。コロナ禍が去った後に新興市場を狙うには、AppleはiPhone SE 2の後継機も引き続き出していくのかもしれません。やはりiPhone SE 2の特徴は最新のプロセッサだったわけですから。。
記事は以上です。
(記事情報元:Apple Insider)