TSMC、2021年には3nmプロセスのリスク生産と量産を開始か Appleは2022年のA16チップで採用?

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AppleのAシリーズチップをはじめ、サムスンを除く殆どのスマートフォンなどのSoCやCPUなどの半導体を製造している台湾のTSMC(台湾積体電路製造有限公司)は、世界最先端の製造プロセスの微細化を進めています。TSMCは一昨年7nmプロセスの量産を開始し、そして今年は5nmプロセスの製品の量産を開始しているといわれていて、既に殆どの生産キャパをAppleとHUAWEI(ファーウェイ、華為)に抑えられているといわれています。そんな中、次世代の3nmプロセスについても順調に開発が進んでいるようで、公式に2021年にはリスク生産に入り、同年後半には正式な量産に入ると発表されていることが中国のメディアMy Drivers(快科技)の報道で伝えられました。

TSMCは更に、3nmプロセスの技術指標として、現状世界最先端で今年量産に入っている5nmプロセスに比べて、トランジスタ密度が15%高くなり、性能は10〜15%上昇し、エネルギー効率が20〜25%向上するとしています。

かつてTSMCは3nmプロセスにおいてここ数年暫く用いられていたFinFET技術ではなく、FinFETと同じようなコンセプトではありながらチャンネル部分の全側面をゲート材で囲むGAA FET(全周ゲートFET)を採用するようだと伝えられていましたが、最新の情報ではTSMCは既に2nmプロセスの開発に成功しており、そこで使用しているのがGAA FETということで、そうなると3nmプロセスも引き続きFinFETが使われる可能性があるということです。

なおiPhoneやiPadに採用されるAシリーズチップに3nmプロセスがいつ採用されるかどうかについては今のところ確定した情報はありませんが、2022年のiPhone 14に搭載されるとみられるA16チップには3nmプロセスが採用されるのではないかとみられています。ちなみに今年は5nmプロセスのA14チップがiPhone 12に搭載される予定です。

なお現在5nmを製造できるのは世界広しといえどもTSMCとサムスンのみで、後を追うインテルは2025年にやっと5nmプロセスでの量産が可能になるといわれていて、それ以外の中国メーカーはまだまだ10nm以上の大きいプロセスに留まっているのが現状で、この先数年はTSMCがトップでそこにサムスンが続いて世界2強という状況は変わらないものと思われます。そしてAppleやHUWEIが大量にチップを製造・購買することでTSMCのラインを独占的に抑えるという状況も恐らく今後も変わらないと思われます。

記事は以上です。

(記事情報元:My Drivers(快科技)

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