ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、Appleは中国大陸にて来年2016年2月8日、中国最大の休日である旧正月『春節』に合わせて同社のオンライン・モバイル電子決済サービス【Apple Pay】を開始することを計画しているという。
Apple、既にApple Payの中国大陸での展開について中国4大国営銀行と合意に至る。後は法規制?
報道によると、Appleは中国国営のビッグ4と呼ばれる大銀行とApple Payの立ち上げに同意に至ったという。但しAppleはまだ中国大陸で展開にするには法規制等の障害が多いようだ(外資企業であることが最大の要因と思われる)。
ちなみに中国国営ビッグ4の大銀行とは、中国銀行(Bank of China)、中国建設銀行(China Construction Bank)、中国工商銀行(Industrial and Commercial Bank of China)及び中国農業銀行(Agricultural Bank of China)だ。
中国には既存のライバルがいっぱい、さてどう出るApple?
中国では既にアリババ(Alibaba、BABA、阿里巴巴)グループのAlipay(支付宝)やテンセント(Tencent、腾讯)のTenpayが電子決済業界の2大最大手で、市場リサーチによればこの2つで64%近い市場シェアを握っていると分析されている。
また中国では、国営の銀行間ネットワークのユニオンペイ(Union Pay、银联)のみが中国のクレジットやデビットカードの決済を独占して行っており、これによってマスターカード(MasterCard)やVISAカードの進出が阻まれている。この国営企業が、上記2社に加えてアメリカンエキスプレス(American Express)の国外三代巨頭の加盟を許していないのだ。
とある中国人デベロッパーがAppleの最新モバイルOS(iOS 9.2のことかと)のベータ版をチェックしたところ、中国のユニオンペイのロゴを発見した。チャイナユニオンペイ社に対しこのことについてコメントを求めても返答がないという。
更に世界に向けて拡がるApple Pay、中国はかなり早い段階で開始ということに?
AppleはApple Payの米国以外の海外への展開をコミットしており、先週にはオーストラリアとカナダにてApple Payをアメリカンエキスプレスと提携して開始した。Apple Payは更に来年2016年には香港、シンガポール、スペインでも展開を開始する予定だ。
中国はApple Payの展開先としてよく噂される国だった。Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOは、中国の通信社の新華社に対し、「Apple Payを中国で始めたいと強く思っている」と語っており、またその展望について楽観的であることも付け加えている。
Appleは上海自由貿易区に既にApple Payのためのサービス会社設立、着々と準備が進む
なお、以前のウォールストリート・ジャーナルの報道で、Appleは今年6月10日に上海の自由貿易区内に実会社『Apple Technology Service (Shanghai) Ltd.』を設立し、Apple Payの立ち上げの準備に入っていることが伝えられている。
記事は以上。
(記事情報元:The Wall Street Journal via MacRumors)