VR/AR市場に進出か?AppleとLG、OLEDマイクロディスプレイのメーカーに1000万ドルを投資

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Appleは自社製品に搭載するディスプレイについて、常に進化を求めて研究開発と投資をしていることで知られています。例えばmicroLEDとOLED(有機ELディスプレイ)について、LG Displayに17.5億ドル(約1,900億円)の投資をしたことはまだ記憶に新しいところだと思います。そして本日、また新しい情報が入ってきました。AppleはOLEDマイクロディスプレイの研究と開発を進めている会社に1,000万ドル(約10億8600万円)を投資して、VR/AR市場に進出しようとしているようです。

eMagin Apple Valve LG

AppleとLGとValveがOLEDマイクロディスプレイ研究開発を専門とするeMaginに1000万ドルを投資

CNETの報道によると、米国証券取引委員会に提出された文書の中に、米Apple社がLGとValve(ゲーム研究開発会社)と共に、eMaginという会社に1000万ドルを投資したことがわかりました。このeMagin社はニューヨークのホープウェル(Hopewell)に本社を構える会社で、主要業務は軍事・医療や工業分野のOLEDマイクロディスプレイの研究開発及び生産となっています。そして最近はヘッドマウントディスプレイにそのリソースを集中しているようです。

この投資について、eMagin社は提出した文書の中で、「私たちは多くのコンシューマ向け製品の会社と戦略的な提携を結んでおり、コンシューマ向けにヘッドマウントデバイスをデザインし、小型ディスプレイを開発します。そしてこれらの会社と共に大きな生産キャパをもつ会社と提携を進め、量産能力を高めていきます」と書いています。また同文書によれば、この投資は1月末には既に完了しているとのことです。

eMagin社は2K OLEDマイクロディスプレイの開発に成功、スクリーンドア効果を抑える

2015年に、eMagin社は2K小型ディスプレイの開発に成功しています。材質はOLEDで、解像度は2,048×2,048ピクセルに達し、FFI(fill-factor)は70%と高い数字となっているため、1つ1つの画素の明るさが更に増し、スクリーンドア効果を抑えることができます。スクリーンドア効果とは、画素不足の状況下で、ディスプレイに網目模様のようなものが見えてしまうことで、英語ではThe screen-door effect (SDE) 、またはfixed-pattern noise (FPN)と呼ばれるものです。

Appleはこれから本格的にVR/AR市場に進出か?

というわけで、AppleのeMagin社への投資はVR/ARデバイスのために準備しているということは明らかです。しかし、LGとValveは既にVRヘッドセットの自社製品を持っています。そこにAppleが乗っかった形になったのはなぜでしょうか?もしかしたらAppleはこれから本気でVR/ARのマーケットに乗り出そうとしているのかもしれません。既にARKitが成功し、現在バージョンがARKit 1.5になっていることもあり、着々と準備を進めていたこともあります。

CNETはこの件についてApple社とeMagin社の2社に質問を送りましたが、まだコメントを得られていないということです。

今回の投資は3社あわせて1000万ドルで、AppleがLG Displayに投資した17.5億ドルとは文字通り桁が違う投資額ではあるのですが、それでも今後AppleがVR/ARデバイスの開発にかなり積極的であることは、積極的なその分野での特許の取得とあわせて証明されています。さて、いつ頃AppleのVR/ARデバイスがお目見えするのでしょうか?

記事は以上です。

(記事情報元:CNET

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