SSDとハードディスクはお互いにユーザの奪い合いをしているが、昨日AnandTechによって出された資料によれば、ここ5年でハードディスクの売上げは下がり、出荷量も減少しているという。そして更に、価格についても大きな変化が起きている。下のDRAMeXchangeで導き出せるグラフを見れば、SeagateやWestern Digitalなどハードディスク勢も身の危険を感じるかもしれない。
というのも、前四半期に比べ、SSDの価格(OEMメーカーの支払い)が12%も下がっているのだ。そしてメモリセルの記録方式で分類すると、MLCが10%〜12%、TLCが7%〜12%下がっているという。
Amazonの価格で見てみると、128GBのSSDの単価は38〜49ドルの間で、250GBの単価は52〜81ドルの間だ。ちなみに昨年6月は、128GBのSSDの平均小売価格は91.55ドルで、240GB(256GB)は165ドルほどだった。つまり半額くらいになっているのである。
予測では、128GBのSSDの平均価格が、500GBのハードディスクとの価格差が3ドルほどになり、256GBのSSDと1TBハードディスクの価格差も7ドルほどに縮まるという。
当然ながら、純粋に容量(ギガバイト、GB)で比較するとSSDの価格はハードディスクの4倍ほどだが、以前よりも圧倒的にその差は縮まってきている。
またSSDそのものの発展もめざましい。SATA対応のものも増え、更に比較的ハイエンドのPCIeポートのものも増加し、この勢いは6年は続くとみられている。
SSDのメモリセル記録方式に関しては、SLCは高すぎて論外としても、MLCとTLCは容量と価格などの総合的な条件で選ばれている。ちなみにMLCの方が信頼性が高いとされているが、各メーカーも自社の3Dフラッシュ技術やTLCの製造工程の改善によってその信頼性を高める努力をしており、依然としてTLCの出荷量がMLCよりも多く主流となっているようだ。
画蛇添足 One more thing…
SSDの価格が下がれば、AppleのMacBookの価格にも影響してくるだろう。Appleは本体の値下げはしないかもしれないが、他の性能向上にコストをかけられることになる。iCloudドライブ、Dropboxなどクラウドストレージにデータをアップすることが可能になっている今、あまりSSDやハードディスクの容量は大きくなくてもいいのかもしれないが。
もちろん個人情報や大事なデータは手元に置いておくに越したことはないが、SSDもハードディスクも年数による寿命がある。セキュアなクラウドストレージであれば、サーバや記憶媒体の管理はサービス側がやってくれるので楽ではある。データによるが、私は写真や音楽などのデータはできるだけクラウドストレージにアップするようにしている。
記事は以上。
(記事情報元:cnBeta)