漏洩したメールから判明:Appleとクアルコムが仲違いしたのは意外な原因によるものだった

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Appleとクアルコム(Qualcomm)は特許使用料を巡る激烈な訴訟合戦に入り、既に2年が経過し、2社の関係は完全に決裂しています。しかしBloombergが報じたとあるリークしたE-mailの内容によると、この2社は裁判以外にも意外な原因によって関係が崩壊した可能性があるようです。

Qualcomm_Baseband-Chip_iPhone7
iPhone 7に使われているクアルコム(Qualcomm)のベースバンドモデムチップ

Appleのジェフ・ウィリアムズ(Jeff Williams)COOとクアルコムのスティーブ・モレンコフ(Steve Mollenkopf)CEOの間で交わされたE-mailによると、この2社はソフトウェアに関する関係のもつれから訴訟に発展した可能性があります。Appleとクアルコムは確かに法廷上で紛争状態にありますが、AppleのウィリアムズCOOはクアルコムと引き続き提携を続けたいと考えていました。しかしクアルコムはAppleがモデムチップをカスタマイズするためのクアルコムのコードを漏洩したと主張しています。ウィリアムズCOOは、クアルコムのコード(ソフトウェア)を使うAppleのエンジニアにはファイアウォールを使わせているとし、またどんなことがあってもコードの中から何も価値のあるものを得られることはないと主張しています。

クアルコムのモレンコフCEOがアップルのウィリアムズCOOに、クアルコムしか持ち得ない情報の保護について不安であることをメールで伝えています。そしてモレンコフCEOはAppleにそのカスタマイズコードにアクセスすることを許可する代わりに、将来2年間に渡って少なくとも50%以上のiPhoneにクアルコムのチップを使うことを要求したのでした。

クアルコムは2018年9月に、Appleがコアのコードと商業上の機密を盗み、競争相手のインテル(Intel)に渡したと法廷で指摘しています。クアルコムがAppleを訴訟する際に、「明らかに、Appleの行為は最初の起訴の時のような簡単な違約行為ではなくなっています。事実、Appleは長年虚偽のコミットメントと行動の隠匿と詐欺手段の行使を行っており、クアルコムの機密情報を盗み出し、比較的品質の低いモデムチップモジュールの性能を引き上げていました。その最終目的は、クアルコムを外すことだったのです」としています。

Bloombergが指摘するように、上記の通りソフトウェア(コード)が2社の関係の崩壊を招いたキーとなる原因となったようです。そしてそれは、2社が係争関係にあったにもかかわらず、2社共にお互いの協力関係が続くことを望んだことから起こったともいえます。しかし、上記の関係の崩壊が発生してから、クアルコムは中国とドイツの裁判所において、一部のiPhoneの販売禁止令を勝ち取っていて、両者の争いは白熱化するばかりです。

クアルコムは今週、法廷で米国連邦取引委員会(FTC)に対して、反トラスト法に関する訴訟を行いました。FTCはクアルコムが反トラスト戦略をとっておきながら、高い特許使用料を取っていること、それによってベースバンドモデムチップのサプライヤーとしての主導的な地位を保とうとしていることを指摘しています。またそのことに関して、Appleのジェフ・ウィリアムズCOOを含む多くのテック企業の幹部達が、法廷に出廷し証言を行っています。今週初めには、ウィリアムズCOOが、Apple側が2018年のiPhone(iPhone XSシリーズとXR)に対してチップを提供することをクアルコムに申し入れたところ、拒絶されたと証言しています。

どちらの言い分が正しいのかはわかりませんが、ソフトウェアが原因だったというのは興味深い情報でした。しかしいずれにせよここまでこじれるとAppleとクアルコムが和解するのは難しそうですね。Appleは現在iPhone用のモデムチップは100%インテルから購買していますし、現在Appleは自社でモデムチップを開発しているという情報もあり、クアルコムへの依存が必要なくなっているため、徹底的に闘う姿勢です。クアルコムも徹底抗戦の構えを崩すことは暫くなさそうですが、Appleから失注したことは投資家からはよい材料とは受け止められていないと思われます。

記事は以上です。

(記事情報元:Bloomberg

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