スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)といえば、Appleだけでなく、PIXAR(ピクサー)の創業者であることを思い出す人もいるかもしれません。1980年代に、ジョブズは1000万米ドル(10億円以上)でLucasfilm(ルーカスフィルム)の傘下だったコンピュータによる特殊効果を担当していたスタジオを買収し、PIXARアニメーションスタジオが誕生したのです。
その後PIXARスタジオは徐々にその知名度を高めていき、1995年には世界で初めての3D立体アニメ映画『トイ・ストーリー』をリリースし、大成功を収めます。そしてスティーブ・ジョブズもこの成功によって再び知名度を得て、自身のNeXT社をAppleに買収させる形でAppleに復帰するための伏線を張ることになりました。その後PIXARスタジオはディズニー(Disney)に買収され、ジョブズは個人としてはディズニーの最大の株主となって億万の富を得ることになったのです。
先日、RR Auctionにあまりサインをしないことで有名なスティーブ・ジョブズのサインが入ったPIXARのポスターが出品され、最終的には31250米ドル(約333万円)という高値で落札されました。このポスターは24×36インチで、トイ・ストーリーのウッディーとバズが描かれていて、ジョブズのサインはPIXARのロゴの上に書かれています。なお、このポスターの頃のPIXARはまだディズニーに買収されていないため、ディズニーのロゴが入っていないのも特徴です。
ジョブズはAppleでの成功と挫折、そして再度復帰後には世界一の市場価値を持つ会社にするという偉業を成し遂げましたが、一方PIXARによってディズニーの株主になるというとんでもない偉業も達成しています。その後、ディズニー(The Walt Disney Company)の社長兼CEOであるボブ・アイガー(Bob Iger、Robert A. Iger)氏もAppleの株主に加わっていて、現在のAppleのサービス部門のコンテンツに花を添える形になっています。この辺りも、Appleが他の会社とはひと味違うことを示しているといえるでしょう。
滅多にサインしないジョブズのサインというだけでも価値がありますが、そのような歴史的な意味が込められたポスターでもあるので、たった1枚の紙切れに300万円を超える価値がついたといえるでしょう。なお、他のスティーブ・ジョブズのサイン入りのグッズや、スティーブ・ジョブズ本人が使用していた物品などもたびたびオークションに出品され高値で取引されることで知られています。
記事は以上です。
(記事情報元:Apple Insider)