ここ暫く、Appleにとっては暗黒の日々が続いています。少なくとも、その株価において。。多くの第三者のレポートから、現行最新のiPhone XSとiPhone XRはAppleが望んでいたほどは売れていないことがわかっています。そしてそれがAppleの株価を2ヶ月前よりも25%も低迷させています。
そしてこの状況は来年になっても好転しないようです。野村国際香港(Nomura International Hong Kong)の台湾支社のアナリスト、Anne Lee氏が、2019年のiPhoneは好調なデビューを飾ることはないだろうとしています。彼女はBarron’sにおける金曜日のレポートで、2019年のiPhoneはルック&フィールにおいても何も変化をもたらさないと予測しています。
2019年後半期秋に発売される3機種の新しいiPhoneは、本体サイズやディスプレイサイズなどの要素が2018年後半期にリリースされたiPhone XR、XS、そしてXS Maxと同じになり、ある程度ARに関連する機能が追加される程度とみています。
2019年はiPhoneが5G(サブ6GHz)とAR機能搭載のためのハードウェアスペックの準備段階のiPhone Xデザイン構造を用いる最後の年になるでしょう。2020年秋には5Gや包括的広範囲のARシステムの本格採用によるハードウェア構造の大きなアップグレードがあると思われます。
5Gの登場は、モバイルデバイスに大きな影響をもたらすとみられています。高速データ伝送は、新しいチャンスをもたらすとみられるからです。そしてそれが訪れるまでは、スマートフォンにとっては我慢と試練の日々が続きそうで、Appleといえどもそのスマートフォン市場の世界的な落ち込みという”重力”に逆らえないのかもしれません。野村国際は、実年度2019年度には2億400万台のiPhoneが売れると予測していますが、2020年度には2億台に下がるとみています。
そして中国がAppleの業績に大きな影響をもたらすと野村国際はみているようです(アナリストが野村国際台湾の中国系の人物であるという要素も多少加味しなければならないと思いますが、もちろん正しい指摘と思われます)。特に、ローコストの他社ローカルメーカーとの競争が更に激しくなるのは避けられないからです。モルガン・スタンレーも金曜日にAppleの目標株価を236ドルにまで引き下げました。その理由として、中国での買い替え周期が長期化していることが挙げられています。
またAppleは米国企業でありながらほぼすべてのiPhoneを中国で製造・組立を行っていて、米中の貿易戦争の影響を大きく受ける可能性もあります。ただ、Appleという世界でも市場価値が最も高い会社の低迷は、米国経済全体にも影響を及ぼしかねないため、大局的な判断で関税調整リストから外される可能性もあります。また最近のファーウェイ副社長拘束や同社製品の米国・日本政府機関購買停止措置による影響が、Appleにとって吉と出るか凶と出るかについても注目しなければならない点ではないでしょうか。
記事は以上です。
(記事情報元:9to5Mac)