昨日のAppleの出願特許によって、MacBookのキーボードが今後更に改良される可能性があることがわかりました。特許出願書類によれば、Appleは将来のMacBookのキーボードの上にフレキシブルなガラスパネルを載せることで、埃や水分の侵入からキーボードや内部部品を守る構造に変更していく準備をしているようです。
AppleのMacBookシリーズのキーボードは、無印12インチMacBookから”バタフライキーボード”というタイプが用いられていて、特に初代や2代目は埃や水分の侵入に弱く、キーボードの故障が多いことで知られています。現在の第3世代バタフライキーボードでは、キーボード下部を樹脂の膜で覆うことで機構部分に埃や水分を付着しにくくしてはいますが、それでもやはりある程度埃や水分が溜まるとそれを防ぐことができません。
しかし、昨日米国特許商標庁が公表したAppleが出願した特許(名前はキーボード付きのコンピュータ”Computer with Keyboard”とかなりシンプルになっています)によると、Appleはキーボード全体をフレキシブルなガラスパネルで覆うような構造にすることで、埃や水分の侵入を防ごうとしているようです。具体的には、以下のように図示されています。
特許出願書類にはガラスパネルの下側の、肝心のキーボードの構造については書かれていないため、どのくらいのストロークになるのか、押した感覚があるフィードバックがあるかなど、詳細はわかりませんが、Fig.48の図示では指で押すとたわんでいることや、溝が作られていて各キーボードには一定の高さが設けられていることから、一定の柔軟性があるものと思われます。また、完全なフラットなバーチャルキーボードではないこともわかります。そして各キーボードの表面も物理的な構造ではなく、LEDのようなもので表示するようになれば、各国版のキーボードを作らなくても、統一したものにできていくかもしれません。
Appleは以前に既にバーチャルキーボードの特許は取得しているのですが、恐らく時期尚早と読んだのか、まずはバタフライキーボードで以前のMacBookシリーズに比べかなりストロークを減らしたいわゆる”パチパチ”系のものに変更し、そして更にガラスパネルによってストロークを減らし、いずれは完全なバーチャルキーボードにしていくのかもしれません。人間にはやはり慣れが必要ですからね。iPhoneのようなフルサイズのタッチパネルも、初代や3G〜3GSくらいの時代は、人々はまだ大きい画面を指で操作することに慣れていませんでした。今はほぼ誰でもできるようになっているかと思います。
Appleは段階的にキーボードのストロークをなくし、そして丈夫な、薄いMacBookを作り上げようとしているのかもしれません。
なお、以前私の友人が12インチMacBook(第2世代バタフライキーボード)にコーヒーをこぼして作動しなくなり、修理になってしまった顛末を以前記事にしています。これがなくなるならいいですね。
記事は以上です。
(記事情報元:Apple Insider)