今日のAppleの歴史:10年前の今日、OS X Snow Leopard正式発表。歴史に残る好アップデート

  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

10年前の2009年6月9日(米国時間6月8日)、AppleはOS X 10.6 Snow LeopardをWWDC2009で発表しました(発売は2019年8月28日)。Snow Leopardは、同社の最も優れたデスクトップOSアップデートにランク付けされている、Macオペレーティングシステムのバージョンです。他のアップデートほど派手さはないかもしれませんが、Appleのコアバリューを実現するもので、Macにとって明るい未来への道を開くアップデートとなったのでした。

そしてSnow Leopardは、マーケティング的には最後のMac OS Xと「Mac」がつくOS Xとなりました(次の世代のLionからはOS Xと呼ばれるようになったのです)。

mac-osx-snow-leopard

Mac OS X Snow Leopardの最大の役割:機能を最適化する

Snow Leopardはその前のバージョンであるOS X Leopardから大した機能の進化はありませんでした。昨年2018年にアップデートされたmacOS Mojaveに少し似ていて、多くの新機能とセクシーな仕掛けは追加されなかったのです。その代わりに、既にLeopardで実現していた機能や動作を最適化して、機能とパフォーマンスの観点から基本を忠実に守りました。その上、コーディングを見直したことでLeopardよりも容量がなんと6GBも少なくなっていたのです。

Leopardには、色々な意味でちょっと実力以上のことを実現しようとしていたところがありました。特に早期のIntel MacなどではLeopardを搭載すると荷が重すぎてハングアップすることもあったのです。しかしSnow Leopardはアップデートするだけで機能が改善され動きが軽くなったことから、Appleの評判は回復しました。OS Xの最新版はやはりすごいとユーザに思わせたのです。

Snow LeopardではPower PCのMacintosh/Macに非対応、Intel Macのみに

パフォーマンスと安定性の向上と引き換えに、Snow LeopardではPower PC搭載のMacintosh/Macに非対応となり、Intelのプロセッサを搭載したMacのみの対応となりました。ただ、もう2009年当時では既にPower PC搭載のMacintosh/Macは時代遅れになっていました。

またシステムアプリケーションの殆どが64bit化したこと、またGrand Central Dispatch (GCD) とOpenCLにより並行演算機能が大幅に強化されたことも、Snow Leopardのパフォーマンスと安定性の向上に役立ったのです。

Snow LeopardはMac OS Xのアップデートをより安くし、無料化への道を開いた

Snow Leopardはアップデートするだけでパフォーマンスと安定性が向上するという素晴らしいことを実現しただけではなく、別のことでも「ゲームチェンジャー」となりました。

それまでのバージョンのOS Xは129ドルで販売されていたのですが、Snow Leopardはそれからかなり値下げし、たったの29ドルとなりました。この値下げによって、その数年後には多くのソフトウェア料金を完全に廃止するという、Appleの大きな決断が決定されたのです。現に、Appleは現在殆どのソフトウェア・アプリケーションを無償化しています。

3世代後の2013年のOS X MavericksがAppleの最初の無料デスクトップOSになりましたが、Snow Leopardは無料化への道を切り開き、道筋をつけたのです。

Snow Leopardは重要なOS Xアップデートだった

Snow LeopardはMacユーザーにとって非常に重要なOS Xアップデートでした。

それは、物事を正しく忠実に実現すること、以前の間違いを修正すること、そしてユーザーの求める新機能よりも内部の改善に焦点を当てていること、この3点が実行されたアップデートだったからといえるでしょう。

私個人としても、かつての漢字Talk、OS 7が非常に不安定だったことからWindowsに移行し、その後Snow Leopardの1つ前、Mac OS X 10.5 LeopardからMacに戻ってきたのですが、確かにSnow Leopardでパフォーマンスが向上したことを覚えています。私は当時としては唯一のアルミユニボディの無印MacBookを使っていました(その後2015年に無印MacBookがリリースされますが)ので、Leopardでもそれなりにちゃんと動いたのですが、Snow Leopardではそれが劇的に改善されたのです。

そういう意味ではSnow Leopardは非常にいいアップデートでした。価格も安くなって、すぐに導入したのを覚えています。

しかしネコ科のネーミング、よかったのに。。もっと続けて欲しかったです。

記事は以上です。

(記事情報元:Cult of Mac

Visited 163 times, 1 visit(s) today
  • ブックマーク
  • Feedly
  • -
    コピー

この記事を書いた人