ジャパンディスプレイ、Apple Watch Series 5の有機ELディスプレイを供給か

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TF International Securitiesの著名なアナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)の最新の予測によると、斜陽のジャパンディスプレイ(以下JDI)が、2019年後半(恐らく来月9月)に発売予定の新しいApple Watch Series 5モデル用に有機ELディスプレイ(OLED)の一部を供給しているということです。

JDI Japan Display ジャパンディスプレイ

Kuo氏によると、JDIのApple Watch用有機ELディスプレイの受注率は今後増加するとしており、今年2019年の15〜20%から始まり、2021年には70〜80%に達する、と予測されています。

次世代Apple Watch Series 5の情報は極端に少ない

次世代Apple Watch Series 5は、新型iPhone 3機種と共に来月9月10日(米国時間)に行われると噂されている発表イベントで発表される可能性があります。これまでのApple Watchは初代から最新のSeries 4まで全て毎年9月に発表されてきたため、特に驚くべきこともないのですが、毎年この時期に発売されることがわかっていてもSeries 5のリーク情報は未発表新型iPhoneに比べ極端に少ないのが現状です。そこまで注目や期待がされていないことや、リーク情報が高く売れないのもあるかもしれませんが。。

アナリストの予測として、前出のKuo氏は以前、Apple Watchのラインナップに「新しいセミラックケーシングデザイン」を追加するとしていましたが、Series 5モデルに追加するかどうかは明示的に言及していません。ロイター通信は、JDIがApple Watchの有機ELディスプレイの供給を開始したことは伝えていますが、Series 5に採用されているかどうかについては明示していません。

時代はMicroLEDへ。。有機ELを増やしても厳しいかも

また来年2020年のApple Watch Series 6からは、ディスプレイにMicroLEDディスプレイを採用するという噂もあり、JDIがいくら頑張ってシェアを増やしても、全体数としては有機ELディスプレイはトーンダウンしていく可能性があります。またiPhoneと比べ面積も小さく、売上げ台数も数分の1と少ない上、Appleの値入や品質要求は極端に厳しいため、JDIはかなり厳しい経営を強いられるのではないかと思われます。

斜陽のJDI、Apple Watchへの有機ELディスプレイの供給で業績は回復するのか

JDI(ジャパンディスプレイ)はソニー・東芝・日立製作所の中小型液晶ディスプレイ事業を統合した会社のため、かつて「日の丸液晶」と呼ばれた日本を代表するディスプレイ事業会社ではありながら、現在は資本の大部分を中国・台湾企業連合から受けていて傘下となり、東京商工リサーチが「自己資本比率は視力検査並みの水準」と評価するほどの経営状態のため、事実上日本企業ではなくなっているともいえます。

産業革新投資機構に代わって議決権を持つ大株主となっている中台香港企業連合が今後JDIの去就をどう決めていくかが注目されます。ちなみに先月7月にはJDI白山工場が閉鎖され、1200人がリストラに遭ったばかりです。

またKuo氏は同時に、AppleはiPhone用の有機ELディスプレイのサプライチェーンの多様化を図るため、供給元として、中国(大陸)のメーカーBOE(京東方)を追加サプライヤーとして利用し、供給比率を徐々に増やしていくとしています。ここにJDIが入っていければいいのですが、韓国と中国の牙城を崩すのは難しそうですね。また、Apple Watch Series 6以降のMicroLEDにも入っていけるといいのですが。。Appleからはそれまでのただの繋ぎとして利用されそうな気もします。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors

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