iPhone 12のカメラレンズがテスト中に不具合発生、ただ納品に遅れはなく更にAppleにとっては良い面も?

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TF International Securitiesの著名なアナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)氏によると、Appleの次世代iPhone「iPhone 12」に使用される予定の一部のカメラレンズのテスト中に不具合が発生したということです。具体的には、PVT試験のうちHTHH試験(High-temperature & high-humidity、高圧高湿ストレステスト)中に、広角レンズのコーティングの一部に亀裂(クラック)が発生したようです。

GSEO

Kuo氏によると、このテストに失敗したレンズは、Proではない方の通常(無印)のiPhone 12モデル用に設計されたものだということで、製造元(サプライヤー)は台湾玉晶光(玉晶光電とも。GSEO、Genius Electronic Optical。Yujingguangとも)でした。ただこのレンズは2社購買となっており、もう1社の台湾大立光(Largan Precision)の同種のレンズはテストに合格しています。ちなみにiPhone 12のカメラモジュール(CCM)はSharp(シャープ)によってAppleに納品されるため、試験はSharp内で行われたものだったということです。

ただ幸いなことに、大立光のレンズの生産能力で今回問題が発生した玉晶光の分を補えるということで、それがiPhone 12の出荷時期に遅れをもたらすことはないということです。もちろん、Appleのルカ・マエストリCFOが既にiPhone 12(次世代iPhone)の発売時期が例年よりも数週間遅れることを宣言していますので、それよりもさらに遅れることはない、という意味です。そしてこのことは今後玉晶光のシェア率を下げることにも繋がるでしょう。

なお、今回の問題の発生は、Appleにとってはいいことかもしれません。というのも、問題が発生したサプライヤーがAppleの購買先として続けていくには、価格を下げる必要があるからです。例えば1枚のレンズが2~2.2ドルだったとしたら、今回の問題で価格を1.5ドル程度まで下げさせられる可能性があるということです。

Apple社には、数ドルを節約できるあらゆる機会を利用してきた歴史があります。これは、サプライヤーが使用するネジやその他の小さな部品に対する独自の取引の交渉から、COVID-19の大流行時にApple Storeで家賃の軽減を求めることまで色々とあります。ただiPhoneの部品1つがたった1セントだけで安くなっただけでも、年間数億台iPhoneは売れているので、それだけでもコストには大きく影響しますね。

個人的にはその分販売価格を下げて消費者に還元してくれよー、とは思いますが、そうはならないのがAppleの憎いところですね。

(2020/08/12 追記)

知り合いの中の人からの情報によると、この玉晶光のレンズのコーティングにクラックが発生した問題の原因はコーティング剤にあったようで、問題があったコーティング剤は韓国メーカーのものだったようです(そのロットのものだけコーティングにクラックが発生したということです)。というわけで、レンズメーカーはとんだとばっちりを喰らったことになりますね。。韓国メーカーはどのような補償を求められるのか、考えただけでもなかなか恐ろしいですね。。

記事は以上です。

(記事情報元:9to5Mac自由時報

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