iOS 12.1からiPhone XとiPhone 8シリーズもパフォーマンス管理対象に

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Appleは1ヶ月半ものベータテストを経て、10月31日にとうとうiOS 12.1正式版をリリースしました。そのiOS 12.1のリリースノートに記されているとおり、今回のアップデートでは昨年の新機種、iPhone X/iPhone 8/iPhone 8 Plusもバッテリーのピークパフォーマンス性能管理対象機種になりました。

iOS12.1_iPhoneX_iPhone8_Performance_Control

iOS 12.1のAppleによるリリースノートには、以下の表記があります。

  • iPhone X、iPhone 8、およびiPhone 8 Plusで、デバイスが突然システム終了しないようにするパフォーマンス管理機能を追加(機能を無効にすることも可能)

そしてApple公式の「iPhoneのバッテリーとパフォーマンス」のページでは、iOS 11.3以降から、以下のような表記が追加されています。

iPhone 8 以降の各モデルは、ハードウェア面でもソフトウェア面でもより進化した設計になっているため、必要とされる電力とバッテリーの給電性能の双方をより正確に見積もり、システム全体のパフォーマンスを最大限に引き出せるようになっています。これにより、異なるパフォーマンス管理システムが可能となり、iOS が突然のシャットダウンをより正確に予測し、回避できます。その結果、iPhone 8 以降のほうがパフォーマンス管理の影響が目立ちにくいかもしれません。しかし、どの iPhone モデルであっても、時間の経過とともに充電式バッテリーの容量やピークパフォーマンスは低下し、いずれは交換が必要になることに変わりはありません。

ということで、iPhone 8以降、つまりiPhone XS/iPhone XS Max/iPhone XR/iPhone X/iPhone 8/iPhone 8 Plusにおいて、ハードウェアとソフトウェア面でより進化したため、パフォーマンス管理システムが異なっているため、突然のシャットダウンを回避できるようになった、とされていますが、それでもやはり販売開始から1年以上が経過したiPhone X/iPhone 8シリーズはパフォーマンス管理の対象になる、ということなのでしょう。

このiOSレベルでのバッテリーのパフォーマンス管理は、iOS 10.2.1から導入されました。開始当時から最近まではiPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone SE、iPhone 7、iPhone 7 Plusのみが対象でしたが、iOS 12.1リリース後にiPhone 8シリーズとiPhone Xが追加されたことになります。

このバッテリーのパフォーマンス管理は、以前”batterygate(バッテリーゲート)”と呼ばれた、AppleがiOS 10から密かに消費者の同意を得ることなく、旧機種においてバッテリーの寿命が短くなった端末の性能を著しくダウンさせるという機能を導入したことでスキャンダルとなりました。なぜなら、旧機種を使っていると必然的にバッテリーが劣化するため、いずれは性能が低下し、それを理由に消費者に新機種への買い換えを促すことができるからで、同社がそれを狙っていたのは明白だからです。しかしAppleはそれを「予期せぬシャットダウンから端末とお客様の大事なデータを守るため」という見え透いた言い訳で返しました。その上で、旧機種のバッテリー交換の価格を2018年末までという期限付きで値下げして取り繕い、そしてiOS 11.3でこのパフォーマンス管理機能を追加し、消費者に自身でピークパフォーマンス管理のオン/オフを選べるように選択肢を追加しました。

Appleが本当に消費者の利益を考えているのであれば、パフォーマンス管理メニューの導入とその機能のオン・オフをユーザが選択できるように先にしていたはずで、ユーザに選択肢のない強引なパフォーマンス管理導入は、どう捉えても消費者に対する配慮が欠けていたものでした。ただ、Appleは資金と詭弁にものを言わせてスキャンダルを抑え込んだ感じがします。そのあたりの経緯は当ブログでも紹介にまとめていますのでご覧ください。

なお、Appleは上記の苦い体験からか、電源コントローラを自社開発する動きになっていて、先月の10月には電源コントローラチップメーカーの最大手のダイアログ社から6億米ドルで技術とエンジニアを自社に取り込んでいます。

iPhone X/iPhone 8/iPhone 8 Plusのバッテリーがへたれて来るのはいつか、ということについては、毎日の使用状況によって大きく異なるのでなんともいえませんが、一般的には1年から2年を過ぎた辺りから弱ってくる可能性があります。パフォーマンス管理機能のオン・オフは、【設定アプリ>バッテリー>バッテリーの状態>ピークパフォーマンス性能】から設定可能です。

iOS12.1 バッテリーの状態 iPhone XS Max
私のiPhone XS Maxで、iOS 12.1のバッテリーの状態設定はこんな表示になっています。

記事は以上です。

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